Requiem For A Dream
監督: ダーレン・アロノフスキー 
音楽: クリント・マンセル 
出演: エレン・バースティン、ジャレッド・レトー、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンズ、クリストファー・マクドナルド、ルイーズ・ラサー、キース・デヴィッド 
2000年 アメリカ映画

 

 

「π」で鮮烈デビューを果たしたダーレン・アロノフスキー監督が描く衝撃のドラマ。
この作品も予備知識無しで観たので、思わぬ展開にグイグイと引き込まれ、救いようのないラスト15分の展開に参りましたm(_ _)m
ごく平凡な若い男性を中心に、その母親、恋人、友人がふとしたきっかけで麻薬に手を出し転落していく様を強烈な説得力で描いています。
10代の若者に麻薬の恐ろしさを伝えるためには最適の教材ではないかと。
でも、ジェニファー・コネリーの衝撃の体当たり演技はR-15相当なので、中学生以下には見せられませんね。
それにしても彼女が参加する麻薬パーティのシーンはショックだったなあ。
また、「エクソシスト」のベテラン女優エレン・バースティンの廃人と化していく老女の演技が凄かった。
20年ぶりのオスカーノミネートも納得です。

音楽は最近売り出し中のクリント・マンセル。
元ポップ・ウィル・イート・イットセルフというUKデジタル・ミクスチャー・ロック系のバンドに在籍していた人です。
当時はジーザス・ジョーンズのフォロワーみたいな位置付けでした。
このようにバックグラウンドはロックな人なのですが、本作に彼が提供した音楽は素晴らしいものでした。
映像と相乗効果を出す印象的な悲しいメロディは一度聴いたら頭から離れません。
特に、演奏にクロノス・カルテットを起用したのが大正解。
チェロ等の低音系の弦楽器は、キーがメジャーでもマイナーに聞こえてしまう特徴があるようです。
その不安定なところが悲壮感をより一層引き立てていたように思います。
劇伴はクリント・マンセルが得意とするテクノ系の曲もあったりしますが、大抵この悲痛なテーマのヴァリエーションとなっています。
特にラストの三者三様の転落図、このバックで流れる曲は秀逸です。
最近は、「サハラ」や「DOOM」といったアクション系の作品を手がけるマンセルですが、
彼の場合は、むしろサスペンス向きなのではないかと思われます。
ジャケ写真の「目のアップ」は本編を見て初めて意味が分かりました。