MURDER IN THE FIRST
監督: マーク・ロッコ 
音楽: クリストファー・ヤング 
出演: クリスチャン・スレイター、ケヴィン・ベーコン、ゲイリー・オールドマン、エンベス・デイヴィッツ、ウィリアム・H・メイシー、スティーヴン・トボロウスキー、ジョアンヌ・ウォーリー=キルマー 
1995年 アメリカ映画

 

 

かの有名なアルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込んだ囚人とその弁護士の姿を描いた実話の映画化。
いわゆるヘンリー・ヤング裁判として知られる裁判を映像化したものです。
死刑囚が収監されているアルカトラズ刑務所で殺人事件が発生、容疑者とされた囚人を弁護することになった弁護士がその容疑に疑問を持ち始め調査を開始する・・・・というお話。
ノンフィクションによる法廷サスペンスという形を取っていますが、さすがに実話に基づいているだけに迫力があります。
スレイター、ベーコン、オールドマンといった演技派ががっちりタッグを組んで、とても見応えのあるサスペンスに仕上げています。
オールドマンの憎まれ役もなかなか印象的でしたが、やはりケヴィン・ベーコンの演技が素晴らしい。
ラストは悲しい終わり方をしますが、実に感動的な作品です。
これは意外な掘り出し物でした。

 

 

音楽はクリストファー・ヤング。
本作の特筆すべき点の一つに音楽の効果的な活用があります。
スコアの使い方が非常に上手い。
クライマックスの法廷シーンに向けた音楽の使い方が特に目を見張るものがあります。
テーマ曲はジョン・ウィリアムズの「プライベート・ライアン」を彷彿とさせる哀しみを帯びた印象的な曲です。
ここまでリリカルなヤングを聴いたことがありません。
サントラをブックオフで750円で買いましたが、これは当たりでした。
コーラスを多用した前述の感動的なスコアの他、マーチング・バンド風の曲あり、静寂の中にチェロの調べが悲しく響く曲ありでヤングの諸作の中でも、かなり毛色の違う作品になっています。
ストリングス系のヤングのスコアの中ではかなりいい線をいっているのではないでしょうか。
CDは既に廃盤のようで、アマゾン等で検索しても6,800円くらいのプレミアが付けられています。
興味のある方は悪質なプレミアには手を出さず、ブックオフ等で探して1000円以内でサクッと買いましょう。