GIRL WITH A PEARL EARRING
監督: ピーター・ウェーバー
音楽: アレクサンドル・デプラ
出演: スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース、トム・ウィルキンソン、キリアン・マーフィ、エシー・デイヴィス、ジュディ・パーフィット
2003年 イギリス/ルクセンブルグ映画

 

 

 

フェルメールの名画を巡る17世紀を舞台にしたコスチューム・プレイ映画。
名画「真珠の耳飾りの少女」に隠された謎を大胆な仮説に基づいて描いており、画家フェルメールとモデルとなった少女との複雑な関係を淡々としたタッチで描いています。
原作はトレイシー・シュヴァリエの小説で、全世界200万部を越えるベストセラーとなった作品です。
とても静かなタッチの作品で、劇中大きな波風が立つわけでもなく、淡々とした中で終わってしまいます。
それでも、見終わった後に心に残るのがこの作品が持つ魅力なのでしょう。

 

 

 

 

音楽は、フランスの気鋭、アレクサンドル・デプラ。
地味な映画にそれ相応の音を付けていますが、静かなタッチなのにとても印象に残る作品になっています。
かつて、巨匠ジェリー・ゴールドスミスが本作のサントラを絶賛したという噂を聞いたことがあります。
なるほど巨匠が褒めるだけあって、口数は少ないのですが、シンプルなメロで印象的はフレーズを紡ぎ出しているという感じです。
弦楽器を用いたテーマが印象的ですが、ここで使用されたのはバロック時代の弦楽器ビオラ・ダモーレという楽器だそうで、
ヴァイオリンやチェロとはまた全く違った趣の音がします。
全体的にバロック色はないのですが、現代風なスコアリングの中にバロック楽器をスパイスのように使う手法はかえって面白いのではないでしょうか。
アレクサンドル・デプラは、フランス本国ではモーリス・ジャールやジョルジュ・ドルリューの正当後継者と言われているそうですが、
あながち大袈裟ではないと思います。
最近は「ホステージ」等のハリウッド作品も手がけるようになっており、今後の活動が注目されます。