ZULU
監督: サイ・エンドフィールド
音楽: ジョン・バリー
出演: スタンリー・ベイカー、ジャック・ホーキンス、マイケル・ケイン、ウーラ・ヤコブソン、ジェームズ・ブース、ナイジェル・グリーン
1964年 イギリス映画

 

 

 

この映画はその昔、うちの地元のテレビで深夜2週に分けて放映されました。
当時、高校生だった僕は弟と一緒に最後まで飽きることなく観たのを覚えています。
19世紀、植民地支配化の南アフリカでイギリスの統治に反発するズール族とイギリス軍の死闘を描いた史劇もの。
これは史実に基づく作品だそうで、4000人のズール族と100名足らずのイギリス軍守備隊との戦いを迫力の映像で描いています。
この戦いで、本来なかなかもらえないはずのビクトリア勲章を10数名もの兵士や将校が受賞したという事実が戦闘の凄まじさを物語っています。
個人的にはマイケル・ケインが出ているので、それだけで10点付けたい作品なのですが、
前半の牧歌的な流れを差し引いても、後半のズール族との戦いを描く部分は今観ても素晴らしい。
今の戦争もののように血しぶきが飛んだり、首が飛んだりはしませんが、脚本と演出の素晴らしさで最後まで飽きさせません。
銃剣を付けた単発ライフルで、押し寄せるズール族と闘ったイギリス兵の恐怖とそれを克服する勇気はほんとすごいと感じました。
単発銃ならではの3列撃ちも見ることが出来、当時の射撃法を知る上でなかなか興味深いものがあります。
その一方で、裸同然の格好で槍と盾だけで突進してくるズール族の勇敢さもスゴかった(^_^;)
見終わった後、何故か晴れ晴れとしたものを感じてしまうのは僕だけでしょうか。

 

 

 

音楽は、当時売り出し中のジョン・バリー。
007シリーズも3作目の「ゴールドフィンガー」の頃の作品だと記憶しています。
それまでのロックやジャズ寄りのオシャレなアクション・スコアが多かったこともあって、
本作は彼の別の面を確立したシンフォニックなスコアだったと言えます。
アフリカの土俗的なドラムの音をモチーフに史劇ものらしく、力強いスコアを書いています。
メロもどっしりとした感じで、007とはまた違った作風になっています。

 

 

引きずるような重厚な音は当時の若手作曲家の作品としては、かなり堂々としたものだったと思います。
結構いいメロです。

同じ60年代に担当したアフリカを舞台とした「野生のエルザ」ともまた違った感じのスコアです。

とはいうもののサントラLPのB面は、テーマを当時のロックにアレンジしたバージョンがしっかり入っていたりして、
セールスを考えてか、100%シンフォニック・スコアとはいかなかったようです(^o^)
(当然B面は本編には未使用です。)
彼は、同じ年には「国際諜報局」等も手がけており、作品ごとにジャジーなスコアとシンフォニックなスコアの両刀で仕事をこなしていたことを伺わせます。