BABEL
監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
音楽: グスターボ・サンタオラヤ
出演: ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子、二階堂智、アドリアナ・バラーザ
2006年 アメリカ映画

 

 

 

「アモーレス・ペロス」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督がモロッコ、アメリカ、メキシコ、日本を舞台にそれぞれ別々の物語を同時進行で描いたドラマ。
旧約聖書の「バベルの塔」をモチーフにします。
日本ではアカデミー助演女優賞ノミネートとなった菊池凛子の演技が話題になりました。
アカデミー賞6部門ノミネートされ、このうち作曲賞を受賞しています。
残念ながら未見なので詳しいことは分かりませんが、
全く別々の国での出来事が複雑に絡み合い、思わぬ方向へ一つに繋がっていく様が見事に描かれているようです。
「クラッシュ」みたいな感じなのかな?

 

 

 

 

音楽は、アルゼンチンのグスターボ・サンタオラヤ。
「ブロークバック・マウンテン」のスコアで、2005年アカデミー賞作曲賞を受賞しています。
引き続いて今回も見事に作曲賞を受賞しています。
基本的には、「モーターサイクル・ダイアリーズ」や「ブロークバック・マウンテン」と同じ系統のアコギを使ったスコアが中心です。
他作とちょっと違うのは、アコースティックな楽器を使って南米やモロッコっぽい民族音楽系のスコアを書いている点。
あくまでも口数は少なく、限りなく乾いた音のスコアです。
弦楽器も乾いていれば、パーカッションの音も乾いてものすごく軽い音になっています。
これは映画を観てみないと少々キツイかもしれません。
メロがほとんどないので、悪く言えば無味乾燥な音です。
アルバム単独で楽しむには、「モーターサイクル・ダイアリーズ」の方がいいかなと思いました。
サントラ盤はインスパイア盤の体裁を取っていて、既成の歌モノとスコアのコンピレーションになっています。
スコアの他に坂本龍一、アース・ウィンド&ファイアー、リップ・スライム、ファットボーイ・スリム、スケッチ・ショウ、藤井隆、その他メキシコのアーティスト・・・
いろんなものが渾然一体になって収録されています。
一見メチャクチャな組み合わせですが、これを紙一重のところでコンパイルしているところが監督の手腕と言えるでしょうか。
でも、グスターボ・サンタオラヤのスコア単体で1枚もののスコア盤を作ってくれた方が良かったなあ(^_^;)

 

 

あ、でもそうするとあまりに地味になりすぎるかな・・・・