MACBETH
監督: ロマン・ポランスキー
音楽: ザ・サード・イヤー・バンド
出演: ジョン・フィンチ、フランチェスカ・アニス、マーティン・ショウ、ニコラス・セルビー、ジョン・ストライド、スティーヴン・チェイス、ジェレミー・ブレット
1971年 イギリス映画




・・・本日も過去記事アーカイブです。



 

ロマン・ポランスキー監督が奥さんのシャロン・テートを狂信的なカルト信者に惨殺された後に撮ったシェークスピアの古典。
シェークスピア作品の中でも最も血生臭い作品で、なんとも言えない重苦しさがあります。
かつて、ざらついたビデオ映像で観たから余計に陰鬱な印象を受けました。
これまで何度も映画化されてきましたが、これが通算3度目の映画化となります。
3人の魔女にそそのかされてスコットランドの王を殺したマクベスが、
王座をモノにしますが隣国に亡命した王子の手によって追いつめられる姿を描いています。
ラストの首チョンパシーンがなんともシュールでした。

 

 

 

音楽はイギリスの異形のプログレ・バンド、サード・イア・バンド。
スコア自体は、ラッシュ・フィルムを観ながらメンバーが即興演奏したそうです。
サントラ盤にはそのときのスコアがそのまま収録されているわけではなく、
本編で使用されていない曲も入っています。
サントラというより、サントラを含むバンド自身による「マクベス」のインスパイア盤といった趣です。
もともと、中世の室内楽とオリエンタルな音を足して2で割ったような奇妙な音が売りのバンドだったので、
この手の音作りはお手の物だったと思います。
数あるプログレ・バンドの中でもおよそロックとは程遠い奇妙なサウンドがかえって新鮮です。
各曲の長さもちょうどいい具合で、長尺のミニマルな楽曲が多いこのバンドの入門編にはぴったりの作品です。
本サントラのキモはオーボエの調べと、リーダー格のglen sweeneyによるひたすら乾いた音のパーカッション、そしてリコーダー。
アルバムのカバーは有名なデザイナー、ロジャー・ディーンが手がけています。