LE MANS
監督: リー・H・カッツィン
音楽: ミシェル・ルグラン
出演: スティーヴ・マックィーン、ヘルガ・アンデルセン、ジークフリート・ラウヒ、ロナルド・リー=ハント、リュック・メランダ、フレッド・アルティナー
1971年 アメリカ映画




平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・

 


 

フランスのル・マン24時間耐久レースを題材に、スティーヴ・マックイーンが製作にも携わった作品。
セリフが極端に少なく、セミ・ドキュメンタリーのような風合いの映画です。
マックイーン自身もレーサーとして活躍していただけに、余計なドラマを廃して徹底してレースの魅力を余すところなく捉えた映像が見事です。
一見口数の少ない寡黙な印象を受けるドラマ部分の方も、実は圧倒的な存在感を持っています。
特に有名なラストシーンでのマックイーンの顔がすごくいい。
同じくレーサーを描いた作品で、本作の2年前にポール・ニューマンが主演した「レーサー」という映画がありましたが、
こちらはメロ・ドラマのような作りで本作品とは全く対照的な作品でした。

 

 

 

 

音楽は、フランスの巨匠ミシェル・ルグラン。
ルグランが得意とするジャズ・フレイバー溢れるスリリングなスコアと、リリカルで表情豊かなストリングス・チューンをバランス良く配した好スコアです。
LP時代には劇中のセリフや効果音を織り交ぜたサントラ盤が発売されていました。
かつて日本盤LPが廃盤になりかけた時、マックイーンが死去したので、
ジャケがマックイーンのアップだったこともあってしばらく廃盤を免れたという話を聞いたことがあります。
本スコアで最大の聞き物は、フルートがソロを取る、どことなくサイケな感じのフレンチ・ジャズ・チューン「ファースト・ラップ」でしょう。
レース前の緊張感を表現した心臓のバクバク音がピークに達してエンジンがスタートするS.E.から曲が始まるイントロが最高にカッコいいです。
CDは、フランスのUniversalレーベルから、同じくマックイーンの「ハンター」とカップリングされたCDが発売されました。
LP時代は30分に満たないスコアでしたが、CDでは21曲入り(うち「ハンター」が9曲)で、S.E.なしのスコアのみの収録です。

ECOUTEZ LE CINEMAシリーズと題されたこのレーベルのサントラ発掘シリーズ、今後も目が離せません。






・・・と、ここまでが過去記事。

CDは現在は廃盤?かもしれませんが、法外なプレミアはついていないようです。

「ハンター」は単独でダウンロード版があるようですので、本作品もダウンロード版を出してほしいものです。