UN DOLLARO BUCATO
監督: カルヴィン・ジャクソン・パジェット
音楽: ジャンニ・フェリオ
出演: ジュリアーノ・ジェンマ、イヴリン・スチュワート、ピーター・クロス、ジョン・マクダグラス、フランク・ファレル
1965年 イタリア/フランス映画

 


平日じゃないけど過去記事ですみませんシリーズ・・・



 

マカロニ・スター、ジュリアーノ・ジェンマの代表作にして、マカロニ・ウェスタン初期の大ヒット作。
まだマカロニ・ウェスタンの知名度が低い時期の作品であり、ジェンマもモンゴメリー・ウッドなんていう英語名でクレジットされていました。
マカロニといえば、ヒゲ面、小汚い服、汗くさそう、残酷、主役=善玉とは限らない・・・等々といったイメージがありますが、
ジェンマの主演作についてはどれも爽やかなイメージがあります。
胸ポケットに入れた1ドル銀貨で命拾いしたり、銃身をカットした「当たらない」けん銃が伏線になっていたり、
小道具に凝った作品でもありました。
南北戦争で捕虜となった南軍の兄弟が、釈放されて流れ着いた街で悪党一味と農民との抗争に巻き込まれ、
弟を殺された兄が復讐に立ち上がるというお話。

 

 

 

 

音楽は、数多くのマカロニを手がけたジャンニ・フェリオ。
ジェンマの主演作も結構担当しています。
マカロニ初期の作品ということもあってか、音楽の方もギラギラのマカロニ節にはなっていません。
テーマ曲はいかにも日本人の琴線に触れそうな泣きのメロを持った名曲です。
日本ではフレッド・ボングストが歌う主題歌がヒットしました。
サントラCDはイタリアから「荒野の大活劇」他1作品とカップリングになったものが発売されています。

ちょっとジャケがカバー演奏の企画盤みたいなデザインでイマイチ。
本作からは全部で11曲が収録されていますが、テーマ曲はインスト・バージョンのみ。
インスト・バージョンも口笛がリードを取って、後半で情熱的なトランペットで盛り上げる構成になっていますが、
残念ながらボーカル・バージョンには叶わないかなという感じ。
劇伴はまだマカロニ色が薄く、オーソドックスなウェスタン・ミュージックになっている曲も結構あります。
まだイタリア製西部劇の知名度が低かったころなので、アメリカ寄りの音をしているのかなあと思います。
中期のマカロニのこれでもかという感じでギトギトした音とは明らかに一線を画しています。



・・・と、ここまでが過去記事。

その後、2013年にdigitmoviesレーベルから本作品単独でCDが発売されました。念願のボーカルバージョンもしっかり収録されています。

そして、現在では同盤のダウンロード版まで入手可能です。