ALIEN3
監督: デヴィッド・フィンチャー
音楽: エリオット・ゴールデンサール
出演: シガーニー・ウィーヴァー、チャールズ・S・ダットン、チャールズ・ダンス、ポール・マッギャン、ブライアン・グローヴァー、ラルフ・ブラウン、ランス・ヘンリクセン
1992年 アメリカ映画

 

 

シリーズ第3作目。
「セブン」の奇才デヴィッド・フィンチャーが若干27歳の時に撮った、ダークで陰鬱な雰囲気のシリーズ中最も異色な作品。
「2」で脱出に成功したライフポッドの中で、せっかく生き残った少女と兵士が死んでしまっており、リプリーだけが生き延びたというところからお話が始まります。
不時着したところが監獄星で、そこにいるのは男の囚人ばかりでみんなスキンヘッドという設定。
(おかげでみんな同じ顔に見えてしまい、誰が誰だか分からない(^_^;))
リプリーもスキンヘッドにされてしまいます。
ライフポッドに潜んでいたエイリアンが犬を介して成長して・・またまたエイリアンとの死闘が始まります。
宗教色が濃く、よく言えば荘厳、悪く言えば陰鬱なトーンで描かれる作品で、脚本の書き直し等もあって散漫な印象は否めません。
ただし、劇場版より30分長い完全版がDVDで発売されており、そちらを観れば印象はまた変わるかもしれません。

 

 

 

 

音楽は、エリオット・ゴールデンサール。
デヴィッド・フィンチャーと言えば、ハワード・ショアとのコラボが有名ですが、初期作である本作はゴールデンサールが担当しています。
映像と完全にリンクするスコアで、荘厳で宗教音楽の色彩も持ったダークでおどろおどろしいスコアです。
重くのしかかるようなダーク・トラックは気が滅入りそうです。
エリオット・ゴールデンサールは、前衛スコアで有名な「アルタード・ステイツ」のジョン・コリグリアーノに師事していたといいますから、
本作はその影響が如実に会われたスコアではないかと思います。
アンダースコアに徹していて、お世辞にもアルバム単独で楽しめるような作品ではありません。
基本的に楽しい曲というものが皆無です。
アクション・スコアは、メタリックなパーカッションがゴールドスミス、ホーナーの影響を感じさせます。
ホルンのようなブラス音が激しく鳴り響くトラックがあり、後の「バットマン・アンド・ロビン」を彷彿とさせます。