LAPOLIZIA INCRIMINA,LA LEGGE ASSOLVE
監督:エンツィオ・G・カステラッリ
音楽:グイド&マウリッツィオ・デ・アンジェリス
主演:フランコ・ネロ、ジェームズ・ホイットモア、デリア・ボッカルド、フェルナンド・レイ、シルヴァーノ・
トランクィリ
1973年イタリア映画

 

 

 

フランスからイタリアヘの国際麻薬密売ルートを牛耳る組織とそれを追う刑事の闘いを描いたマカロニ・アクション。
「フレンチ・コネクション」のパクリということは誰の目からも明らかです。(^^;)
「フレンチ‥・」の悪役、フェルナンド・レイまで出てます。
暖かい目で見れば「フレンチ・コネクション」へのオマージュたっぷりのアクション映画。
オープニング間もなく展開されるカーチェイス・シーンはレトロな車を使ってますが、
スピード感もあって結構頑張ってます。
クライマックスの銃撃シーンは、マカロニ・ウェスタンで鍛えたネロのガンファイトが堪能できますが、
銃がシングル・アクションのピースメーカーじゃなくて、「リーサル・ウェポン」でお馴染みのベレッタなのでなんか変な感じです。
なお、組織を追う刑事の身内にまで危険が及びますが、恋人はボコボコに殴られただけで済んだのに、
自分の愛娘は車でひき殺されるという設定はあまりにヒドイと思うのですが‥‥・。
マカロニ・アクションの悲しいサガなのでしょうか、
途中で中だるみしたり、突如として挿入される「ジャ~ン!!」という漫画の吹き出しみたいな効果音、
これらは作品の品位を決定的に下げています(^^;)。
ハッキリ言ってB級以下のショボイ作品ですが、フランコ・ネロも出てるしマカロニを愛する僕は許しちゃいます。

 

 

音楽は、「アラン・ドロンのゾロ」のグイド&マウリッツィオ・デ・アンジェリス兄弟。
後半の警察署長暗殺シーンから顔を出すテーマ曲が本作の一番の目玉。
この曲はカッコいい。
イタリアン・プログレッシヴ・ロックの香りがプンプンするロックテイストの曲で、
エフェクトのかかったアコースティック・ギターの音がまた格別です。
ただ、他の劇伴はガクンと落ちます。
本編のオープニングに流れる曲は、ポコポコ言ってるだけのなんとも無味乾燥なアンダースコア。
さらにカーチェイス・シーンに流れるチープなファンキー・チューン?が一番まずい。
すっごいカッコ悪い‥・(T_T)
もはやチープという言葉では片付けることが出来ないくらい稚拙なスコアです。
曲にスピード感があるから余計お笑いっぽくなって、緊張感溢れるはずのチェイス・シーンが
コメディみたいになってます。
また、この兄弟のせいではないのでしょうが、せっか<本編に挿入されたスコアの末端処理がまずくて、
スコアが終わる部分がフェイドアウトじゃなくて、いきなりブツッと切れたりします。
相当アバウトな編集をするスタッフだなあと思います。
散々、悪口を書きましたが、その割にちゃっかりボーナストラック入りのCDを愛聴してたりします(*^_^*)