THE BLACK WINDMILL
監督: ドン・シーゲル
音楽: ロイ・バッド
出演: マイケル・ケイン、ジョセフ・オコナー、ジョン・ヴァーノン、デルフィーヌ・セイリグ、ドナルド・プレザンス、ハーマイアニ・バドリー、カトリーヌ・シェル
1974年 イギリス映画

 

 

 

「ダーティ・ハリー」のドン・シーゲル監督が撮ったイギリス製スパイ・スリラー。
イギリス諜報部員の息子が「ドラブル」と名乗る組織に誘拐され、身代金として諜報部が保管しているダイヤモンドを要求されて、
諜報員はやむなくそれを盗み出して犯人側に渡すと、今度はダイヤ強奪の犯人として追われるハメになり、
孤立した諜報員は子供を取り戻すため、単身組織に戦いを挑む・・・というストーリー。
世間一般には、シーゲル監督の作品としては平凡な作品として捉えられていますが、
さすがにアクション映画で鍛えた手腕で、クライマックスの銃撃戦等、シャープな演出で見せ場はしっかりあります。
「ヒッチコック」タイプのスリラーを狙ったようですが、これがかえって仇となったかも知れません。
シーゲル監督は、自分のスタイルがあるんだからあくまでシーゲル・タッチで攻めた方がよかったかも。
でも、マイケル・ケイン主演だし、サイレンサー無しのイングラムMAC-10を使った銃撃戦にシビれたし、個人的には文句無しの映画です(^_^;)
マイケル・ケインがクライマックスで必殺必中で使用するこの機関銃、コンパクトゆえに接近戦に向いていると言われます。
その反面、狙い打ちには向かないそうですが、本編ではキメの一撃で犯人を倒すところに使われ、
さすがシーゲル監督、銃の選び方もウマイと感心しました。

 

 

 

 

音楽は、若くしてこの世を去ったイギリスのロイ・バッド。
同じマイケル・ケインが主演した「狙撃者」や、「爆走!」あたりと雰囲気の似たアクション・スコアですが、
公開当時サントラは発売されず、後にイギリスのCinephileレーベルからバッドのCDが多数発売された際、ようやく陽の目を見た1枚です。
もともとアルバム化を想定してなかったためか、テーマ曲的な扱いの曲がありません。
フィルム用のスコアをそのままアルバムにした感じで、最初から最後まで劇伴という印象のサントラです。
そのため、アルバム全体を独特の緊張感が支配している感じのビシッとしまったクールなスコアです。
何曲かソース・ミュージックも収録されていますが、8曲目のモロにジャズしてるスコアでは、恐らくバッド自身のものと思われる
スリリングなピアノ・ソロがたっぷり収められています。
この人はコードの使い方やバックのメロに独特のクセがあって、目隠しで聴いてもすぐバッドだと分かります。
僕の中では、子供の頃に死ぬほど聴いたバッドの「ワイルド・ギース」のスコアが耳に染みついていて、
「ワイルド・ギース」風の音には、敏感に耳が反応してしまいます(^_^;)

 

 

 

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