PAPER TIGER
監督:ケン・アナキン
音楽:ロイ・バッド
主演:デヴィッド・二ーヴン、三船敏郎、安藤一人、ハーディ・クリューガー、ジェフ・コーリィ、ロナルド・フレイザー、アイリーン・ツー
1975年イギリス映画
平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・。
「史上最大の作戦」のケン・アナキン監督が撮ったサスペンス映画
ストーリーは、東南アジアで日本大使の息子がイギリス人家庭教師ともどもテロリストに誘拐されます。
大使の息子は、家庭教師を大戦中の歴戦の勇士だと信じて疑いませんが、実はそれは「ウソ」。
でも家庭教師は真の勇気に目覚め、テロリストに立ち向かっていく・・・というお話。
家庭教師を演じるデヴィッド・ニーヴンがすごくいい味を出しています。
家庭教師とは言うものの、実はほとんどペテン師という役柄なのですが、一見弱そうなキャラが上手くマッチしています。
三船敏郎や安藤一人といった日本人の役者を出演させているためか、
洋画によくある誤った日本人像になっていないのが嬉しい。
タイトルの「張り子の虎」は、始め歴戦の勇者だと虚勢を張るニーブンのことを言っているようです。
なお、えくぼが可愛かった子役の安藤一人さんは、今でも現役で日本の舞台等で活躍されているようです。
今では、いいおっさんになっていてビックリ(^_^;)
音楽は、ロイ・バッド。
テーマ曲は、華やかなイントロとは対照的にメイン・メロは甘くイージーリスニング風の音です。
バックの混声コーラスがイージーリスニング度を上げているのですが、これを歌っているのが「レイ・コニフ・シンガーズ」。
まるでヘンリー・マンシーニかと思うほど、甘く美しいメロディです。
エンド・タイトルではこれに歌詞までついて、さらにマンシーニ度が倍増しています。
劇伴の中でもうひとつのコーラス・グループ「マイク・サマーズ・シンガーズ」の歌も1曲収録されています。
舞台が東南アジアということで、オリエンタルな音色の楽器が所々で顔を出します。
劇伴はテーマとは対照的に甘いメロを織り交ぜながらも、甘すぎることなく、お約束の「ワイルド・ギース」調のアクション・スコアを始めとしたサスペンス描写にシフトした緊張感ある曲で構成されています。
なんと本作の劇伴の中で、後に「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」に勝手に流用された部分を発見!
天下一武道大会で勝者に軍配が上がるときに流れる音が、このアルバムの6曲目からパクられていました。
今まで気づかなかった。
香港映画、恐るべし(^_^;)
演奏は、ナショナル・フィルハーモニック・オーケストラ。
ロイ・バッドのピアノ・ソロも2曲入っています。
サントラCDは例の英Cinephileレーベルから発売されました。
2曲のボーナス・トラック(リミックス・バージョン)を含む16曲入りのものでしたが、今では廃盤になっています。
・・・と、ここまでが過去記事。
CDはとっくに廃盤になってしまいましたが、現在ではダウンロード版が入手可能です。