THE 7TH DAWN
監督: ルイス・ギルバート
音楽: リズ・オルトラーニ
出演: ウィリアム・ホールデン、スザンナ・ヨーク、丹波哲郎、キャプシーヌ、マイケル・グッドリーフ、アラン・カスバートソン、モーリス・デナム、シドニー・タフラー、デヴィッド・キース
1964年 イギリス映画




平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・




以前、思い切って買った米FSMの「MGM映画サントラ12枚組」ですが、まだほとんどレビューしてなかったなあと思い、
少しずつ紹介していこうと思います。
(ただ、僕が生まれる前の作品が結構多いので、ちょっと苦戦するかも・・・・(^^;))
まずは、「007」シリーズ3作を監督したことでも知られるイギリスのルイス・ギルバート監督が描く戦争ドラマです。
戦争映画といっても、第2次世界大戦ものではなく、ここで描かれるのは1950年代イギリス統治末期のマレーです。
ストーリーは、太平洋戦争中は、お互い反日ゲリラとして共に戦ったアメリカ人と現地人が、終戦後、
かたやマレーのゴム園を経営する農場主、かたやマレー独立を掲げる組織のテロリストとして再会し、かつての親友同士が敵味方として対決することになる・・・というお話。
主演は、戦争映画には結構お馴染みのウィリアム・ホールデン(本作では製作にも携わっているようです)、そしてテロリスト役になんと丹波哲郎が扮しています。
この頃から、丹波おじさんは世界的に活躍していたんですね。
さらに、フランスのファッションモデル出身のキャプシーヌとスザンナ・ヨークが出ています。
劇中、テロリストの存在を疑われた村が焼き討ちされ、隠していた爆弾が爆発するシーンがありますが、
なんとなくベトナム戦争もので焼き討ちされるベトコンの村とオーバーラップしました。
なお、この映画、キャストもスタッフも有名な人が参加しているようで、撮影は「アラビアのロレンス」でオスカーを受賞したフレドリック・A・ヤングが担当していたり、
当時としては結構な大作だったのではと想像します。



音楽は、イタリアのリズ・オルトラーニ。
この人はモリコーネと同じく、結構アメリカ映画やイギリス映画のスコアを手がけていますが、
やはりイタリアの作曲家らしく、とんでもないC級映画の音楽もやってたりするので面白い。
「大竜巻/サメの海へ突っ込んだ旅客機 」とか「濡れたウィークエンド/女子学生寮半裸惨殺死体の謎」なんてのも平気で担当するのです。
本作は、戦争アクションという性格もある作品なのですが、意外にメロウでイージーリスニング風なスコアが多いのに驚きます。
ミリタリー調で勇ましいアクション・スコアもあるにはあるのですが、やはり、「世界残酷物語」等の美メロで知られる人だけあって、耳に心地よいサウンドが印象に残ります。
東南アジアが舞台なので、それっぽいアジアン・テイスト(というかマーティン・デニー風)なメロも出てきます。
メインとなるテーマ・メロは、バーナード・ハーマンの「ネレトバの戦い」ばりに雄々しい始まり方をするかなと思いきや、
それは最初だけで、甘美なメロをフルオケで奏でる魅惑のサウンドが展開します。
このモチーフを生かした「愛のテーマ」はヘンリー・マンシーニ風の混成ボーカルによるものですが、
60年代のコーラス・グループ「THE LETTERMEN」もこの曲をカバーしていて、
彼らのベストアルバムの筆頭にこの曲が入っているところをみると、かなりヒットしたのでしょうか。
かなりソフト・ロックな音でこれは聴いていて心地いいですね。オリジナルよりもイイ。
・・・・と思っていたら、「Walker Brothers」もカバーしてた。この曲結構有名だったのですね。
そして・・・ついでに探していたら、なんとキング・レコードのサントラ・カバーでお馴染み「フェランテとタイシャー」の演奏も見つけちゃいました(^^;)




・・・と、ここまでが過去記事。

「The MGM Soundtrack Treasury」は、入手困難になりましたが、現在では、本作品単独のダウンロード版が入手可能です。