THEY CAME TOROB LAS VEGAS
監督:アントニオ・イサシ
音楽:ジョルジュ・ガルバランツ
主演:ゲイリー・ロックウッド、エルケ・ソマー、リー・J・コップ、ジャック・パランス、ジョルジュ・ジェレ、ダニエル・マル
ティン、ジャン・セルヴェ、ロジェ・アナン
1968年 イタリア/フランス/スペイン映画

 

このところ、バチモンをアップすることに生き甲斐を感じはじめています♪

でもこれ、イタリア資本は入っていますが、マカロニ・アクションじゃなくてフレンチ・アクションといった趣の作品です。残念ながら、結構まともな部類の作品です(^^;)


 

アンドレ・レイの原作小説をもとにスペイン出身の監督アントニオ・イサシが撮ったクライム・アクション。
「2001年宇宙の旅」のゲイリー・ロックウッドが主演していてビックリ。
この人、「2001年」のイメージしかないのですが、この手のアクション映画にも出てたんですね~。
これにリー・J・コップやジャック・パランスといったバイ・プレイヤーたちが脇を固めます。
最先端の近代設備を誇る現金輸送車を襲撃してあえなく殺された兄の復讐を誓う弟が主人公で、
この弟がラスベガスのカジノでカード配りをしながら、難攻不落の最新現金輸送車の強奪を計画します。
弟が立てた大胆不敵な計画は、現金輸送コースの途中にあるラスベガスの砂漠のど真ん中に巨大な地下壕を作って、
現金輸送車もろともそこへ誘い込んで、あたかも車が忽然と消えたように見せかけるというもの。
一方、現金輸送車には金の密輸疑惑があってこれを調査する財務省調査官がからんできます。
弟たちは周到な計画に従いまんまと現金輸送車を強奪しますが、そこで仲間割れが起きて‥・というお話。
ヨーロッパ系の小粒なアクション映画なので、こんな映画誰も知らないだろうなあと思いながらも紹介しちやいましたm(_ _)m

 

音楽は、フランスのジョルジュ・ガルバランツ。
この人はジャズをベースにしたグルーヴィーなサントラを結構残しているのですが、
その作品のほとんどがCD化されていないという大変不遇な人です。
この人が手掛けた「ダイヤモンドの犬たち」なんか、かなりの人気盤だと思うのですが、いまだにCDイヒされません。
そんな中で本作は、めでたくCD化された数少ない作品の―つといえます。
スコア全体を通して、サバービアな渋谷系大好きサウンドが展開します。
モンドな雰囲気のパーカッションや派手なトランペットが蝶裂するご機嫌なジャズ・チューンが満載です。
ビッグ・バンド風な曲が多く、「スパイ大作戦」や「プリット」の頃のラロ・シフリンを思わせる部分があります。
基本的に陽気で躍動感のある曲が多く、トランペットの熱いサウンドが印象的なブラス・テューンが聞き物です。
スコアの中にハモンド・オルガンをフィーテャーした曲がありますが、
90年代イギリスで活躍したジェームズ・テイラー・カルテットを彷彿とさせるアシッド・ジャズっぽい雰囲気があります。
このサントラは映画と切り離しても十分楽しめる内容になっています。
サントラCDは海外で発売されていますが、コンピレーション盤に結構この作品からの曲が収録されているところを見ると
その筋ではかなり有名な作品なのかも知れませんね(^^;)。


ラスベガス強奪作戦