WANTED
監督:ティムール・ベクマンベトフ
音楽:ダニー・エルフマン
主演:アンジェリーナ・ジョリー、ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フリーマン、テレンス・スタンプ、トーマス・クレッチマン、クリスティン・ヘイガー、マーク・ウォーレン
2008年 アメリカ映画



平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・。




「ナイト・ウォッチ」、「デイ・ウォッチ」のティムール・ベクマンベトフ監督が、人気グラフィック・ノベルをあり得ない映像とともに映画化したスタイリッシュ・アクション。
予告映像を見る限り、ビジュアル的には「マトリックス」の亜流の一つなのですが、憶面もない荒唐無稽な映像が続く様はかえって痛快です。
この作品も結局劇場で観ることが出来ず上映が終わってしまったのですが、かなり派手な映像が展開する作品のようです。
なんでも撃った弾の弾道が曲がったり、撃ち合いした時に弾丸同士がぶつかったり、車でスピンターンして人を拾い上げたり、
結構都合のいい映像がたくさん出てくるようです。
アンジェリーナ・ジョリーと「つぐない」のジェームズ・マカヴォイが主演をしているのですが、
凡人から超人的な力を身につける主人公のジェームズ・マカヴォイよりも、
インパクトという点では、もの凄い形相を見せるアンジェリーナ・ジョリーの迫力の方が上かも。
カッコいいとか野生美というより、ここまできたらもはや「野獣」ですね。
完全に「性」を超越してる。全身刺青だし‥‥‥コワイ(T_T)
ストーリーは、平凡な暮らしをしていた青年が、謎の美女から死んだ父は実は凄腕の暗殺者だったと知らされ、
さらには訳の分からないまま銃撃戦に巻き込まれ、その美女に守られ暗殺専門の秘密組織の元へ連れて行かれ、
父殺しの復讐のため、暗殺者としての潜在能力を覚醒させていく‥・というお話のようです。
派手なガン・アクションが目白押しで、相当たくさんの一般市民が巻き添えになって死ぬらしいですが、
痛快娯楽アクションだと割り切って見ればかなり面白い作品かも知れません。









音楽は、ダニー・エルフマン。
最近のこの人の作風は、コンビを組む監督の意向なのか、
毒が無いというか当たり障りの無いスコアが多くちょっと淋しい想いをしていましたが、これは久々のヒットでした。
まるでジョン・パウェルのスコアを焼き直したような「キングダム」にはかなりがっかりしましたが、
これは往年のパワーを持ったアクの強いスコアが戻ってきたという印象です。
今回はスコアだけでなく主題歌も歌い演奏していますが、
これが意外にオルタナ系のストレートなロック。
エルフマンの歌もハードにキメているので、最初は誰が歌っているのか分かりませんでした。
ソリッドで骨太なロックにビックリです。
ボーカル・プロデュースに「バグルズ」のトレヴァー・ホーンが参加していてさらにビックリ。
個人的にはこのような荒唐無稽な映像には、オインゴ・ボインゴ風の歌を期待しましたが、
結果的にはストレートでハードエッジなロックで正解だったと思います。
スコアの方は、いつものドコドコ系リズムが詐裂するエルフマン節が全開です。
ただ、最近はこのドコドコがパーカッション中心からシーケンサーに比重が変わりつつあるのかなと思います。
以前に比べて全体の音が軽くなっているのはそのせいかな。
最近のエルフマンのスコアの中では、これは久々の快挙だなあと思います。
スコアの中に、珍しくグレゴリアン・チャントっぽいフレーズが出てきます。


 


・・・と、ここまでが過去記事。

現在では、スコア盤と同内容のダウンロード版も入手可能になっています。