・・・・今夜も過去記事に追加したものです。
最近インチキが多くてすみません(~_~;)



TOURIST TRAP
監督:デヴィッド・シュモーラー
音楽:ピノ・ドナジオ
主演:チャック・コナーズ、ロビン・シャーウッド、タニヤ・ロバーツ、ジョスリン・ジョーンズ、ジョン・ヴアン・ネス
1978年 アメリカ映画




後に「パペットマスター」シリーズを手掛けることになる、デヴィッド・シュモーラー監督が手掛けた70年代ホラーの珍品。
若い男女がドライブ中に車がエンストしてしまい、人里離れた場所に建つ個人経営の蝋人形館に立ち寄ったところ、
そこに住む殺人鬼に襲われ次々と惨殺されていく‥‥・というお話。
恐怖のどん底に叩き込まれる若い女性の中にタニヤ・ロパーツがいます。
この映画に出てくる3人の美女の中で、唯一タニヤ・ロバーツだけが後にチャーリーズ・エンジェルやボンドガールでブレイクしましたね。
人里離れた館に住む殺人鬼に通りすがりの若い男女が犠牲になるという、「悪魔のいけにえ」タイプのよくあるお話なのですが、
この映画のミソは、荒れ果てた蝋人形館の主が実は超能力者で、蝋人形を念力(死語 笑)で動かして次々と若者を襲うというアイデア。
蝋人形の造形等、お世辞にもリアルとは言えないのですが、そこがかえって不気味な味わいを出していました。
パクッとマネキンの口が空いちゃうところなんか、チャチいけど結構コワイです。
この珍しい設定に加えて、「マッド・ボンバー」のチャック・コナーズの怪演が本作をカルト映画の一歩手前まで持ち上げているように思います。
B級ホラーには違いないのですが、奇妙というか風変わりな作風でなぜか心に残ります。
実のところ、僕は子供の頃、これをTVで観てトラウマになりました。
説明不足なストーリー展開も、不気味さを増幅させていたように思います。
あのラスト・シーンも独特ですしね‥・。
かのスティーヴン・キングも著書「死の舞踏」で本作について絶賛しているようです。



音楽は、イタリア出身のピノ・ドナジオ。
サントラ盤は米vareseレーベルからLPが発売されていましたが、CDにはなっていません。
そういえば、vareseレーベルって、80年代はこの手のB級ホラーやSFのサントラを精力的に発売していました。
日本盤が出ないLPも多く、中高生の頃はこのレーベルのサントラを集めてみようと頑張ってみた思い出があります。
当時は、「ニューヨーク1997」とか「死霊のはらわた」とか「ハンガー」とか「ヴィデオドローム」とかいろんなのがあったなあ‥・。
本作もそんなB級ホラー・スコアの中の1枚です。
このサントラ、ジャケットがもの凄<怖くて、ご覧のとおり異様な雰囲気を醸し出していることから、
買ったら呪われるんじやないかと、当分購入することが出来ませんでした(T_T)
肝心のスコアの方は、いかにもこの人らしい悲しげな旋律を持った美メロを始め、
この旋律をモチーフにしたバリエーションや、じわじわと恐怖を盛り上げる定番のホラー・スコアが収録されています。
この人はストリングスを効果的に使った恐怖描写が優れているように思います。
ストリングスの使い方は、かのバーナード・ハーマンに近いといったら言い過ぎかなあ(^^;)
ドナジオのスコアはあんまりCD化されていないので、是非この作品も無理を承知で限定生産してもらいたいと思います。
噂では、アナログ落としの粗悪なCD-Rが出回っているようですが、
限定盤でいいので是非CD化して欲しいものです。




・・・・・なんと、こんな映画のサントラがちゃんとしたCDでリリースされていました。
米Fullmoon Recordsというホラーなレーベルから、アナログ落としではない、クリアなサウンドの限定サントラCDです。
増曲なしの簡素なジャケ仕様なので、もしかしてCD-R盤かもしれません。

いやいやCDだと思うんだけど・・・、まあ、それくらい怪しげなパッケージです。
サウンドの方は、若干高音が耳につきますが、これくらいキンキン言う方が
ホラースコアとしてはインパクトがあって良いのではないでしょうか。
一応、これリマスターしたってことなんだろうなあ。
まあ、もとのスコアがいいので良しとしましょう。
ピノ・ドナジオのスコアはやっぱりいいなあ。