ADVENTURE OF HERCULES
監督:ルイス・コーテス(ルイジ・コッツィ)
音楽:ピノ・ドナジオ
主演:ルー・フェリグノ、シビル・ダニング、イングリッド・アンダーソン、デリア・ボッカルド、ロッサナ・ポデスタ、ブラッド・ハリス、ウィリアム・バーガー、ジャンニ・ガルコ
1984年 イタリア映画


50年代イタリアで量産された懐かしの「ヘラクレスもの」を80年代に復活させちゃったバチモン・マカロニ冒険ファンタジー。
監督は、当ブログでは「スタークラッシュ」や「ラスト・コンサート」でお馴染みのルイジ・コッツィ。
製作は、なんとあのキャノン・フィルムのメナハム・ゴーランとヨーラン・グローバス。
この組み合わせだけでも、B級、いやC級の臭いがプンプンですね。
この監督の作品は、どうしようもないカスみたいな映画だったり、感動のドラマだったりと、作品毎にムラがありすぎて大好きです(^^;)
本作は間違いなく前者の部類に入りますが・・・・。
一応ギリシャ神話をベースにしてますが、メカゴジラの出来損ないみたいなのが出てきたり、
スペースシップが出てきたり、レーザー光線が飛んできたり、めちゃくちゃなことになってます。
特に笑えるのが、宇宙空間のバックが「スタークラッシュ」の時の背景をそのまま使っちゃってるのと、
ヘラクレスがビームで巨大化して、「アルゴ探検隊の冒険」みたいに巨大な岩を両手でぐ~っと押し広げちゃうシーン。
やっぱり、この監督、「アルゴ探検隊の冒険」が大好きなんだなあって微笑ましくなってしまいます。
特撮も相変わらず安くてショボイ。ショボ過ぎて、ここまでくると愛らしさすら覚えます。
1983年のラジー賞候補にもなったそうですが、よくラジー賞で取り上げてもらえたなあと感心します。
主演はTV「超人ハルク」のルー・フェリグノ、これに「宇宙の7人」のシビル・ダニングが共演しています。
この監督、「スタークラッシュ」のキャロライン・マンローといい、本作のシビル・ダニングといい、デカパイがお好きなのかもしれません(*^_^*)
そうそう、「黄金の7人」のロッサナ・ポデスタも出てました。
なお、脇役でなんと往年のマカロニ・スターが2人も名を連ねています。
「西部悪人伝」のバンジョー役、ウィリアム・バーガーと「サルタナ」シリーズのジャンニ・ガルコ。
どこに出てたのか、今では記憶にありませんが、もう一度観てみたい作品ではあります。


音楽は、イタリアのピノ・ドナジオ。
ルイジ・コッツィ監督って、音楽は結構こだわりがあるのか、メジャーどころばかりを使ってます。
本作は、繊細でスリリングなサスペンス・スコアが多いドナジオにしては大袈裟でスケールの大きなオケ・スコアとなっています。
この人の作品でここまでダイナミックなオケ・スコアは珍しいのではないかと思います。
まあ、予算が無いのでオケも小編成っぽいですが、それでもかなり頑張っているように思います。
オープニング・テーマも、この人らしい明快なメロを持った勇壮なスコアになっていて、このモチーフは劇伴でもマーチ調にアレンジされたりして、
全編に生かされています。
やはり、ヘラクレスものですから、ファンファーレ風のトランペットがフィーチャーされていて、
これだけ聴いたらピノ・ドナジオだとはなかなか分からない感じになっています。
イイ曲なのですが、正直言ってこの人のカラーには似合わない素材だという感はぬぐえません。
位置づけとしては、ちょうどヘンリー・マンシーニでいうところの「スペース・バンパイア」みたいなもんです。
サントラのラストを飾る「ヘラクレスのテーマ」は、メイン・モチーフをライトにアレンジした曲でシングル向け?(*^_^*)
サントラはなんと米VareseレーベルからLPが発売されていましたが、CD化にあたって米Intradaレーベルから大幅に増曲されたフル・スコア盤が発売されました。
1000枚限定とのことですが、これも全部売れるんだろうか・・・・。