・・・・今日はかなり古い記事に追記しています。

 


99 AND 44/100% DEAD
監督:ジョン・フランケンハイマー
音楽:ヘンリー・マンシーニ
主演:リチャード・ハリス、エドモンド・オプラエン、アン・ターケル、ブラッドフォード・ディルマン、チャック・コナーズ、デ
ヴィッド・ホール、キャサリン・ボーマン
1974年 アメリカ映画

「大列車作戦」等で知られるジョン・フランケンハイマー監督によるポップでライトなタッチのクライム・アクションの珍品。
この監督の作品って、だいたい骨太の作品が多いのですが、たまに本作のような妙な映画を撮ったりします。
「プロフェシー/恐怖の予言」なんかも違う意味でこの監督にしては妙だったなあ。
リチャード・ハリス演じる殺し屋ハリーの活躍を描いた作品ですが、ハリーはヘンテコなでっかいメガネかけてるし、
チャック・コナーズ演じるクロウ(爪)と呼ばれる手にハサミくっつけた敵の殺し屋もバカっぽいし、
オープニング・クレジットはポップでアメコミっぽいし、中途半端にコメディ・タッチなのが不思議な作品です。
オープニング間もなく軽快なスコアとともに美しい海の中が映し出されるのですが、
カメラがパンすると、なんとそこには重しを付けて沈められた水死体がゴロゴロ‥‥といった感じです。
対立する2つのマフィアがお互いに殺し屋を雇って抗争を繰り広げるというお話なのですが、
適度にライトな感覚を持ち込んでいるのでさほど殺伐とした印象はありません。
ハリーが惚れる小学校の先生に、当時のリチャード・ハリスの奥様アン・ターケルが出ていました。
この夫婦もブロンソン夫婦と同じ<、70年代にはよ<共演してましたね。
フランケンハイマー監督によるコメディ・タッチはちょっとこなれていない感じもありますが、
さすがにお得意のアクションシーンは迫力満点で、洗濯工場での銃撃戦等、快調に飛ばします。
ここで「楽団」のメンバーやリチャード・ハリスが撃ちまくるマシンガン‥・なんて名前だったかなあ、忘れました(^^;)
ちなみに原題は、「99と44/100%キレイになる洗剤」というアメリカの洗剤の売り文句をもじったものだそうです。
やっぱり変だ、この映画。

でも大好きです。


音楽は、名匠ヘンリー・マンシーニ。
本作からは、オープニングの海中シーンで流れる、軽快な口笛に乗った粋な曲「Hangin'Out」が独り立ちして有名になりました。
この曲はマンシーニのコンピレーション盤にも収録されていて、聴いたことがある人も多いと思います。
ホンキートンク調のどこかユーモラスな演奏と口笛とのバランスが絶妙な楽しい曲ですが、
この曲が世間では「華麗なる挑戦のテーマ」として認識されているのが、実はちょっと残念。
僕の中では、本作のテーマ曲はあくまでポップなオープニング・クレジットのバックに流れたレア・グルーヴっぽい骨太のファンク調スコア。
これはメチャメテャカッコイイですよ。
ザクザクとリズムを刻むアナログ・シンセ(?)や、
野太いプラスが力強くメロを鳴らすところなんか、「サブウェイ・パニック」あたりにも通じるものがあります。
この曲だけでも一聴の価値ありなのですが、残念ながら「Hangin'Out」の方に人気が集まったのでしょう、
オープニング・タイトルは今まで音源化されたことがなかったように記憶しています。
これまでアルバムとしてサントラが発売されたことがないので、どっかのレーベルが音源化してくれるのを待ってます。
最近、隔週火曜日に発掘音源を次々と発売してくれている米lntradaレーベルとか、
米La-La-Landレーベルあたりにかなり期待してるんだけどなあ。


・・・・と、ここまでが過去記事。

この記事を書いたのが2008年の11月。

その2年後の2010年に、米Intradaレーベルから限定1200枚でサントラCDが発売されました。

おっさんが熱望したあのメイン・タイトルもしっかり入ってました。

これが発売された時には小躍りして喜んだものですが、

実は音源がモノラルだったというオチがついてました(笑)。

これがステレオ音源だったら100点満点だったんだけどなあ。

話は変わりますが、最近のIntradaレーベルはかつての勢いが無いのが気になります。

もう70年代あたりの古いサントラ音源は出尽くした感じなのか、

レーベルの経営が厳しくなってるのか、

いずれにしてもこのレーベルから出る盤を最近買うことがありません。

ちょっとさみしい気がします。