UPPERSEVEN, L'UOMO DA UCCIDERE
監督: アルベルト・デ・マルチーノ
音楽: ブルーノ・ニコライ
出演: ポール・ハプシュミット、カリン・ドール、ナンド・ガツォーロ、ヴィヴィ・バッハ、サラ・ベイ、グイド・ロロブリジーダ、マリオ・マッフェイ
1966年 イタリア/ドイツ映画


平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・



性懲りもなくまたまたイタリア製パチモン亜流スパイ映画の登場です。
この手のサントラもうちのブログではだんだん定着してきたように思うのですが、そんなこと思ってるのは僕だけか(^^;)
なんかだんだん「秘宝館」じゃなくて、「裏街道」みたいになってきたなあ。
「”カスモノ”サントラ秘宝館」ってのを別個に立ち上げようかなあ
でも、カスなのは本編で音楽自体はカスじゃないしなあ・・・・・。

余談はさておき、「荒野の10万ドル」で知られる(知られてないか)アルベルト・マルティーノ監督による亜流スパイ・アクションです。
変装の名人で秘密諜報部きっての腕利き諜報員「アッパーセブン」が主人公で、

冷戦下の東西対立を背景にヨーロッパやアフリカを舞台に「アッパーセブン」が活躍する作品です。
南アフリカ政府とアメリカとの間で交わされるダイヤがからむ10億ドル規模の取引を妨害し、
ダイヤと10億ドルをそっくり奪ってしまおうとする秘密組織と世界征服を企む某国をアッパーセブンがやっつけるというお話です。
アッパーセブンのパートナーとして美人諜報員が派遣されますが、この役を「007は二度死ぬ」にも出ていたカリン・ドールが演じています。
でも、本作の方が先に製作されたことを考えると、カリン・ドールは本作での演技が認められて、「007」への出演が決まったのでは・・・・
な~んて、そんなハズないか(^^;)
アッパーセブンは変装が得意でいろんな人物に化けちゃうのですが、一番肝心なところで敵にばれちゃったり、
実はたいしたことありません。





音楽は、エンニオ・モリコーネとのコラボが有名なブルーノ・ニコライ。
この人、素顔はかなりの偏屈さんだったらしく、バーナード・ハーマン以上だったという噂も。
盟友モリコーネともいつのまにか仲違いしちゃったのも、そのせいなんでしょうか・・・。
テーマ曲は口笛とマカロニ・ウェスタン風エレキギターで軽やかでジャジーなスパイ・サウンドで結構カッコいい。
やはり007を意識した曲調で、これにマカロニ・ウェスタンとジャズを練り込んだような曲です。
本編では主題歌としてこの曲が歌入りで流れますが、歌っている女性シンガーは誰なのか分かりません。
劇伴はマカロニ・スパイ・アクションらしく、ラウンジ系のサウンドがてんこ盛りです。
でもやっぱり、マカロニ・ウェスタンなエコーたっぷりのエレキ・ギターが必ず入るところなど、思わず苦笑い。
ビッグ・バンド風のジャズに怪奇なオルガンの音がかぶったりして、
ちょっとこなれていない部分はありますが、モンド系がお好きな方にはオススメです。
サントラ盤CDは、サウンドトラック・リスナーズ・コミュニケーションから日本盤が発売されたことがあります。
発売当時はそんなこと全然知らなくて、廃盤になってからやっとその存在に気付いてしまったという苦い経験があります。
やっぱり田舎はイヤですね(T_T)
そんな情報、地元のCDショップには全然入って来ないし、
J-POPばっかり並んでる地元のCDショップの店頭に間違ってもこの手のサントラが並ぶことなんてありません。

現在では、「Bruno Nicolai The Spy Soundtracks Collection」というコンピレーション・アルバムが入手可能で、この中に本作から10曲が収録されています。
なお、驚いたことにヴェリタ・ノーテという日本のレーベルから日本盤が出ています。
このレーベル、最近イタリア本国で量産されている昔のイタリア映画のサントラをガンガン発売していて、バチもの好き、マカロニ・ウェスタン好きには要注目のレーベルです。



・・・と、ここまでが過去記事。

なんと、知らない間に、本作品もダウンロード版が発売されていました。

全41曲63分収録のものがi-Tunes ストアやAmazonで入手可能です。