JONATHAN LIVINGSTON SEAGULL
監督: ホール・バートレット
音楽: ニール・ダイアモンド、リー・ホルドリッジ
声の出演: ドロシー・マクガイア、ジュリエット・ミルズ
1973年 アメリカ映画

「かもめ」が主人公のリチャード・バックの全米ベストセラーを実写化した作品。
動物が主人公になる映画って昔からいろいろありますが、この映画はセリフの淡々とした節回しと、ヘリコプターを使った迫力満点の空撮が見事なコントラストを見せていました。
人間が出てこないかわりに、美しく凝ったショットの数々が観る者を画面に釘付けにする作品でした。
生きるためにエサを探して毎日を淡々と暮らす仲間から離れて、どれだけ高く飛べるかを追い求めるカモメ「ジョナサン」の姿を描いた作品です。
原作本の日本語訳は確か五木寛之氏がやっていたと思います。
この原作、初版が発売されてから数年をかけてジワジワと売り上げを伸ばした作品だそうで、
今では世界25カ国語で翻訳されている世界的なベストセラーです。
監督のホール・バートレットは、原作本に惚れ込み、既に映画化の話が進んでいたいろんな案をぶっちぎってめでたく映画化権を勝ち取っただけあって、
原作の世界観を見事に映像化することに成功していると思います。
他の映画化案はアニメーションであったり、人間を登場させたドラマ風のものであったり、
結構ありきたりなアイデアばかりだったようです。
結果はホール・バートレット監督版で正解だったと思います。
昔、レンタルビデオで観たきりの作品ですが、DVDでもう一度観てみたい1本です。


音楽は、シンガーのニール・ダイアモンドとリー・ホールドリッジが担当。
ニール・ダイアモンドの歌が、この作品をより詩情豊かで魅力的なものにしています。
この人の声って、お世辞にもキレイな声じゃなくて好き嫌いがはっきり別れますが、声の伸びと存在感はスゴいなあと思います。
中でも有名なのが彼が歌うバラード「Be」。
静かに始まり、後半は壮大に盛り上げる神々しさすら感じる名バラードです。
この曲はサントラの中で、インストも含めて何度も顔を出します。
他に躍動感のある「Skybird」もオススメです。
僕は中学生の頃、「Be」を聴くより前に、ラジオでこの「Skybird」のライブ・バージョンを先に聴いていて、
この曲がてっきり「かもめのジョナサン」の主題歌だとばかり思っていて、
未だ観ぬ本編をディズニーの動物ものみたいな子供向けの映画かと誤解していた時期がありました(^^;)
サントラ盤には、ニール・ダイアモンドが歌う8曲の他に、リー・ホールドリッジ指揮のスコアが6曲収録されています。
「Prologue」は「Be」のメロをモチーフにした感動的なスコアでなかなか聴き応えがあります。
「ジェレミー」とどっちが先なのか分かりませんが、ホールドリッジ駆け出しの頃の仕事で、
格調高いサウンドが見事です。
このサントラは、アメリカでミリオンセラーを記録して、同年ゴールデン・グローブ最優秀映画音楽賞、グラミー最優秀映画音楽賞をそれぞれ受賞しています。

Jonathan Livingston Seagull: Original Motion Picture Soundtrack/Neil Diamond

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