LA MORTE ACCAREZZA A MEZZANOTTE
監督: ルチアーノ・エルコリ
音楽: ジャンニ・フェリオ
出演: スーザン・スコット、サイモン・アンドリュー、ピーター・マーテル、ルチアーノ・ロッシ、クローディー・ラング、カルロ・ジェンティーリ
1973年 イタリア/スペイン映画



遂にマカロニものも「ジャーロ映画」にまで手を染め始めてしまいました(^^;)
ジャーロ映画っていうのは、イタリアの推理小説の外装が黄色(Giallo)だったことから、
ミステリーや推理物、しまいには猟奇殺人スリラー等をひっくるめて広くそう呼ぶようになったことが起こりのようです。
この手の映画がイタリアで製作され始めたのは1960年代初頭からのようです。
その第一人者はマリオ・バーヴァあたりだったように記憶しています。
ジャーロ映画は、おびただしい血とスタイリッシュなカメラワーク、ギラギラした音楽が特徴で、
この手法は後のダリオ・アルジェントの一連のホラーに受け継がれていきました。
さて、本作は劇場未公開、TVスルーの作品ですが、
ジャーロの世界ではわりと有名な監督ルチアーノ・エルコリ、主演スーザン・スコットのコンビで送る連続猟奇殺人ものです。
向精神薬の実験モデルとなった女性が、トリップ中に隣のビルの一室で発生した猟奇殺人事件を偶然目撃してしまいます。
しかし、彼女が目撃したという事件は半年も前に発生した事件で、トリップが原因の幻覚だと思われて相手にされない。
実験の様子を撮った写真が報道され、女性は殺人犯に命を狙われるというお話。
ヒッチコックの「裏窓」によく似たプロットですが、気にしない、気にしない。
犯人の凶器がスゴくて、中世の騎士が使っていたという針がいっぱいついた鉄のグローブ。
これで若いストリッパーの顔をザクっとやっちゃいます。ひえ~。
ただ、ジャーロものにしては珍しくゴア・シーンは控えめでエロ・シーンも無かったように思います。



音楽は、マカロニ・ウェスタン等でお馴染みのジャンニ・フェリオ。
本作のスコアは、マカロニ・スリラーによくあるモンドでレトロな雰囲気満点のグルーヴィー・ナンバーが揃っています。
テーマ曲はトランペットとけだるい女性のセクシー・スキャットをフィーチャーしたジャジーで優しげなチューンで、なかなかの出来映え。
劇伴でもこのモチーフは何度も顔を出します。
マカロニ・ポリス・アクションを彷彿とさせるハモンド・オルガンをフィーチャーした曲もあったり、ジャジーでモンドなフレーバーが全編に散りばめられています。
本邦未公開作品にしては意外に良質なスコアになっています。
ラウンジ系が好きな人には結構オススメできるアルバムです。
しかし、このサントラCD、ジャケどうにかならなかったものか・・・・。
あんまりですよね。
これじゃあ試聴でもしなきゃ、普通購買意欲が湧きませんよね。
このサントラ、ジャケで絶対損してるよなあ。
イタリア本国では90年代にCD化されてますが。今も入手可能なのかなあ。
イタリアのラウンジ系サントラ・コンピには本作からの曲が何度か収録されたことがあります。