SHORT CIRCUIT
監督:ジョン・バダム
音楽:デヴィッド・シャイア
主演:スティーヴ・グッテンバーグ、アリー・シーディ、ブライアン・マクナマラ、フィッシャー・スティーヴンス、G・W・ベイ
リー、オースティン・ペンデルトン、マーヴィン・J・マッキンタイア
1986年 アメリカ映画

「ブルー・サンダー」のジョン・バダム監督が手掛けたロボットものSFの隠れた名作。
最先端のロボット開発会社で製造開発されたロボット兵器の試作品が、落雷で起動スイッチが入ってしまい、
自力で街へ飛び出してしまったことから起こる騒動を描いたSF作品です。
ナンバー5と呼ばれるロボットが感性に目覚め、人々とふれあい成長していく様と、
これを捕獲し破壊しようとする軍隊との追いかけっこが描かれていきますが、
なんでも猛スピードで情報をインプットしようとしたり、アリー・シーディと一緒に「サタデー・ナイト・フィーヴァー」を踊る姿が微笑ましく印象に残ります。
そういえば、「サタデー・ナイト・フィーヴァー」もジョン・バダム監督作品でしたね(^^;)。
アリー・シーディがナンバー5を初めて観たときにエイリアンだと思って大喜びしたのに、ロボットだと分かってガッカリするシーンが笑えます。
ロボット版「E.T.」という感じでした。
シド・ミードがデザインしたロボット「ナンバー5」の造形が素晴らしく、今観てもさほど古さを感じさせません。
ちょっと頑張れば、実際に製造出来そうなデザインがリアルでいい。
観ているうちにラストの筋読みがだいたい出来てしまう作品ですが、
この手のSFファンタジーって、余計なことは考えずに素直に観る方が楽しめます。
なお、この映画、好評につき続編が製作されています。
続編も含めて結構お気に入りの作品です。

音楽は、デヴィッド・シャイア。
メイン・タイトルはいきなりフル・シンセのスコアで度肝を抜かれます。
躍動感はあるのですが、ほとんどメロは無く無機質な曲です。
へ~、デヴィッド・シャイアってこんなスコアも書<んだと感心しました。
なお、シンセ・パートのプロデュースはCraig Huxleyという人が担当しているようです。
やっぱりこんなエレクトリックなスコア、デヴィッド・シャイアだけじゃ多分無理だよなあ。
劇伴は基本的にオケスコアなのですが、時折このコミカルなシンセを楽曲に織り交ぜています。
軍隊がからむことから、シンセでミリタリー調のスネアドラムを表現した音も出てきます。
同じバダム監督作品でアーサー・B・ルーピンスタインが音楽を担当した「ウオー・ゲーム」を連想させます。
おもちゃのようなピコピコというシンセ音がループして、ナンバー5の軽快な動きを表現しているようです。
アクション系の劇伴では、このコミカルなシンセのループとシンセ・ドラム、オケががっぷり組んでスリリングな音を出しています。
このオーケストレーションは、ジョエル・マクニーリーが担当しています。
劇場公開時、サントラLPは発売されなかったのですが、今月になって米vareseレーベルから
2000枚限定でCD化されました。
歌モノとしてMax Carl、Marcy Levyが歌う「Come And Folrow Me」という歌がエンド・タイトルとして収録されています。
しかし、この映画が公開された時は、サントラとしてエルデバージが歌う「Who's Johnny」という歌が主題歌のように扱われていたような気がするのですが、
今回のサントラには収録されていません。
余談ですが、このエルデバージの歌、イギリスのScritti Polittiの「Perfect Way」という曲に激似なのですが‥‥。
どっちがパクッたんでしょう(^^;)