CRONACA DI UNA MORTE ANNUNCIATA
監督: フランチェスコ・ロージ
音楽: ピエロ・ピッチオーニ
出演: ルパート・エヴェレット、オルネラ・ムーティ、ジャン・マリア・ヴォロンテ、アントニー・ドロン、イレーネ・パパス、アラン・キュニー
1987年 イタリア/フランス映画

 

 

 

 

たまにはイタリアものでもパチモンじゃない「まっとうな」のを紹介しないと、イタリア映画ファンの方からお叱りを受けそうなので・・・・(^^;)

 

 

 

 

ガブリエル・ガルシア=マルケスのノーベル文学賞受賞作品をイタリアの社会派監督フランチェスコ・ロージが映画化した文芸作品。
文芸作品なので、ストーリーは前時代的な悲劇と宿命を描いた内容で「重い」です。
カリブ海のある街に1人の男がふらりとやってきて、そこで1人の美しい娘を見初め、
半ば強引にアタックして婚約を取り決めてしまいます。
めでたく2人は結婚し婚礼の夜を迎えますが、ベッドで花嫁が処女でないことが分かり、
男は花嫁を実家へ送り返します。
花嫁の実家では、兄たちが妹の処女を奪い、家の名誉を汚した男の名前を娘から聞き出し、
その男を殺すことを予告します。
そして翌朝、男は街の広場の一角で殺される・・・・という風に話が展開します。
お話はここで終わりではなく続きがあるのですが、あとはネタバレになるのでやめときます。
(ここで終わったら、すごい血生臭いマカロニ文芸作品になってしまいますもんね(^^;))
ルパート・エベレットとアントニー・ドロンという男前な若手俳優(今で言うイケメン)を使っており、
映像も幻想的ですごく綺麗なので、この作品、女性ファンも結構いたりして。

 

 

なお、本作は1987年カンヌ映画祭でパルム・ドールにノミネートされています。

格調高いハズです(^^;)

それにしても、この「邦題」は見事だなあ。

 

音楽は、フランチェスコ・ロージ監督とのコンビが長いピエロ・ピッチョーニ。
僕は当時、文芸作品っぽいヨーロピアン作品にはあまり縁がなかったのですが、
この作品のスコアをきっかけにヨーロッパものにも手を伸ばすようになった記念すべきスコアです(^^;)
アルバム1曲目の「ボレロ・レント」を初めて聴いたときのインパクトはかなりのものがありました。
静かにだんだんと燃え上がっていくようなゆったりとしたボレロ調のスコアが、
これから起こる悲劇を予感させるようですごくシブい。
重厚で非常に格調高いスコアで、今でも好きな1曲です。
この曲を初めて聴いたのが、民放FMでやってた確か「スクリーン・ミュージックをあなたに」とかいうラジオ番組でした。
土曜日か日曜日の朝8時頃からやってて、女性が司会して、広島サロンシネマの男の人がコメントしてました。
もうやってないだろうな、この番組。
他の劇伴も全体的にクラシック的なアプローチが中心です。
もともとジャズ・ピアニストだったピエロ・ピッチョーニですが、今回はオーソドックスなスコアに徹しています。
ピッチョーニのスコアの他に、ラテン・ミュージックがソース・ミュージックとして数曲収録されており、
本編のイメージをうまく思い起こさせてくれます。
サントラは、もう廃盤かも知れません。

 

Amazonで検索してもヒットしない・・・・(T_T)