ブレア・ウィッチ・プロジェクト
THE BLAIR WITCH PROJECT
監督:ダニエル・マイリック&エドウアルド・サンチェス
主演:ヘザー・ドナヒュー、ジュシュア・レナード、マイケル・C・ウィリアムズ
1994年 アメリカ映画


めちゃくちゃ低予算で製作されながら、観る者を釘付けにした新感覚「ドキュメンタリー」仕立てのホラー。
学生3人組がメリーランド州バーキッツヴィルの森にまつわる魔女伝説を追って、
地元の人にインタビューしたり、森の中に入っていく様子をビデオに収めるうちに、彼らの身の周りに得体の知れない恐怖が襲いかかる‥・というお話。
映画自体が、行方不明となったこの3人が残した遺品の中から出てきたフィルムという設定です。
こういうのをフェイク・ドキュメントというのでしょうか、今では「クローバーフィールド」や「ダイアリー・オブ・デッド」、「REC」等で有名な方法ですが、
当時は斬新に思えました。(あ、「食人族」もこの手の映画だった(^^;))
しかし、製作費500万円と言われるこの映画、しっかりモトを取ったなあという感じです。
映画の売り方というか、戦略が上手かったのでしょうね。
事前にインターネットでこの森の噂を配信して視聴者の興味をそそっておいてから映画を発表、
さらにTV特番、特集本等々この映画にまつわるものを次々とリリースして、
物語の全体像がだんだん明らかになっていくという構成を取っていました。
ホラーなのですが、心理的に怖がらせるタイプの作品で、グロ描写は―切なし。
派手なシーンもありませんが、極限状態に追い込まれる3人の姿から目が離せません。
なお、この映画、ラストシーンの謎が2作目で解明されるのかと思っていたら、
2作目は普通のホラーになっていて、しかも謎解きもなし‥‥すごく消化不良になりました。
あのラストはなんだったんでしょう(>_<)

音楽は‥‥、この映画、実はスコアというものがありません。
「クローバーフィールド」もそうですが、本編がビデオカメラで撮った映像をそのまま流したという設定なので、
映像のバックにスコアが入っている方がおかしいのです。
それなのにサントラ盤が出ているのですが、なんとこのサントラは
「行方不明になった学生の遺品の中にあったカセット・テープ」をCD化したというふれこみ。
そこまで徹底するか、という感じです(^^;)
そういうことなので、既成曲の寄せ集め盤になっていますが、
当時の学生が聴きそうなカレッジ・チャートの常連みたいなアーティストのオンパレードで、
一応統一感の取れた選曲になっています。
ゴス系、インダストリアル系といったオルタナ勢が選曲されていて、
原曲を見事に歪めたリディア・ランチの歌に始まり、スキニー・パピー、フロント・ライン・アッセンブリー、タイプ・オー・ネガティヴ、ライバッハ、ミート・ピート・マニフェスト、アフガン・ウィッグスといった
くせ者揃いの選曲です。
メジャーなのって、バウハウス、P.I.L.くらいではないでしょうか。
個人的には、スキニー・パピーとフロント・ライン・アッセンブリーがお気に入り。
彼らのアルバムも何枚か持っているのですが、ナイン・インチ・ネイルズにも通じるインダストリアル・サウンドが素晴らしい。
総じて「無機質」で「暗い」アルバムですが、この手のコンピレーションとしては聞き所の多いアルバムです。



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