THE DROWNING POOL
監督: スチュアート・ローゼンバーグ
音楽: マイケル・スモール
出演: ポール・ニューマン、ジョアン・ウッドワード、アンソニー・フランシオサ、マーレイ・ハミルトン、メラニー・グリフィス、コーラル・ブラウン、ゲイル・ストリックランド、リンダ・ヘインズ、リチャード・ジャッケル、アンディ・ロビンソン
1975年 アメリカ映画


「動く標的」のルー・ハーパーを主人公にした9年ぶりの続編。
ポール・ニューマンのハードボイルドぶりも健在で、前作よりこっちを先に観てしまった僕はこっちの方に思い入れがあります。
前作を先に観ていれば、続編、たいしたことないなあって思ったかも知れませんが、
僕は続編もなかなか捨てたものじゃないと思います。
一匹狼の私立探偵ハーパーの元へかつて情事を楽しんだことのある女性から仕事の依頼が入ります。
女性は今では南部の石油王の一族のところへ嫁いでいて娘も1人いるのですが、夫とは既に冷え切った関係にあり、
よその男と情事を楽しんだりしています。
ある日、それを夫にチクろうと手紙を送りつけてきた者がいたことから、女性はハーパーにそれを止めさせて欲しいと依頼します。
一番に疑われたのは手紙が送られて来る直前にクビになった運転手。
ハーパーはその男を捜して調査を始めますが、地元の警察に目を付けられたり、
石油の利権が欲しい地元の実業家からは何を頼まれたのか探りを入れられたり、
石油利権に関わる陰謀が見え隠れする中で、
実質的な石油利権を握っている女性の義母が何者かに殺されて・・・・というお話で、複雑な展開を見せます。
真犯人は誰なのか・・・・初めて観たときは僕もまだ若かったので、ちょっとしたサプライズを覚えました。
(今観たら、ちゃんと伏線が見えていて、「あ、そうか」なんて思いました(^^;))
脚本にウォルター・ヒルが一枚噛んでいるのも注目です。
監督は「暴力脱獄」でもポール・ニューマンと組んだスチュアート・ローゼンバーグ。
主演はポール・ニューマン&ジョアン・ウッドワード夫妻とダリオ・アルジェントの「シャドー」に出ていたアンソニー・フランシオサ、早熟な少女役でメラニー・グリフィス、そして・・・ここにも「サソリ」アンディ・ロビンソンが(^^;)


音楽は、作品がメディア化されることが少ないマイケル・スモール。
前作のジョニー・マンデルには及ばないかも知れませんが、この人もなかなか頑張っています。
ジャズをベースに南部風の味付けを施してみたり、C&Wっぽいギターやブルーススライド・ギターを入れてみたり、
ちょっとした実験的な面白いスコアを提供しています。
けだるい感じですが、決してクールではなく、ピアノを基調としたどちらかと言うとほのぼの系のテーマ曲が印象的です。
なお、本作では、ロバータ・フラックがヒットさせた「Killing Me Softly With His Song」が何故かフィーチャーされていますが、
歌は全然本編に出てこない。
スコアの中にアレンジされて、インストとして控えめに演奏されます。
元々この歌がいつ頃のヒット曲なのか知らないのですが、この映画のために作られた曲じゃないですよね。
この歌、作曲もチャールズ・フォックスだし・・・。
この歌は日本ではネスカフェのCMソングとしても超有名です。
サントラは残念ながら発売されていませんが、本編を観る限りスコアが挿入されている部分は結構あるので、
まとめるとCD1枚分くらいにはなるのではないかと思ってます。
ただ、各曲の長さが中途半端なので、1曲1分弱の曲の寄せ集めになってしまう可能性はあります。
スコアを録音したときのアウトテイクとか、そんなのが発掘されたら、
CDも出せるんじゃないかなあなんて好き勝手に想像しています(^^;)
ちなみに前作「動く標的」もCD化されていないようなので、2作品まとめて1枚というのもいいなあ。