ソマリアにおけるアメリカの軍事介入の失敗を描く実話に基づいた映画化。
数百人のソマリア人と18名の米軍兵士の死者を出すという壮絶な軍事作戦を「グラディエーター」のリドリー・スコット監督がスタイリッシュな映像で描いています。

 

史実をそのまま淡々と描いたような作品で、当然、ヒロインというようなものは存在しません。
まさに汗くさい「男の映画」です。

 

本編の3分の2が戦闘シーンという、とにかくドンパチやる映画です。
RPGの水平撃ちもガンガン出てくるし。

 

主演はジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、 トム・サイズモア(兵隊が似合いますね、このおっさん。最高です。)、サム・シェパード、エリック・バナ、ジェイソン・アイザックス。
結構豪華です。しかもオーランド・ブルームまで出ているというオマケ付き。

 

音楽はリドリー・スコットとは「ブラック・レイン」以降5度目の仕事となるハンス・ジマー。
デジロック風な打ち込みもあれば、ロック・ギターやフィドル、モロッコのクンバス・ギター、和太鼓などを使って多国籍な雰囲気を出したり、いろんなことをやってます。

 

スコア全体のまとまりは薄いですが、12曲めから13曲めと静かに盛り上がる部分は、実にハンス・ジマーらしい展開です。

ソマリアのシーンでは、セネガル出身のシンガー、バーバ・マールのボーカルがフィーチャーされ存在感を出しています。

 

 

ハンス・ジマーの曲以外には、ラシッド・タハ、リサ・ジェラード、ジョー・ストラマー&ザ・メスカレロスの曲が入っています。

この中では、特にラストで流れるジョー・ストラマー&ザ・メスカレロスの「ミンストレル・ボーイ」が秀逸です。

アイルランド民謡をアレンジした曲で、戦地に赴き、そのまま帰らなかった兵士の事を歌っていますが、
故人となってしまった元クラッシュのボーカリスト「ジョー・ストラマー」本人のことが重なっちゃって、思わずグッときてしまいました。