民族紛争直後のボスニアを舞台に、セルビア人民軍による惨殺現場を目撃してしまった米海軍パイロットが、戦闘機を撃墜され、ひとり取り残された敵陣陣地から脱出を試みる戦争アクション。政治的背景とかほとんど説明なしの単純明快なストーリーなので、すっきり見れます。

 主演は、オーウェン・ウィルソン、ジーン・ハックマン。監督はジョン・ムーアで、さすがミュージック・ビデオ出身らしくテンポのよいカット割でFA-18の撃墜シーンを見せてくれます。

 音楽は「マトリックス」等でおなじみのドン・デイヴィスです。このサントラは、なぜかオフィシャルリリースされることなく終わってしまった幻のサントラです。

 マトリックスとはまた違ったアプローチで、明確なメロディもあり、アクションスコアとしての「燃え度」も十分です。東欧系のメロディもいい感じに仕上がっています。(ちなみにマトリックスは、メロディを廃してたった1小節の不協和音みたいなフレーズであの存在感を出しているんですから、よく考えるとスゴいスコアなんだと思います。)

 ドン・デイヴィスのオフィシャル・サイトでは、サントラのうち何曲かがアップされていますが、MP3フォーマットでかなり圧縮してあるのでPC用スピーカーで聴く程度の音です。http://dondavis.filmmusic.com/

 写真のアルバムは、全23曲入りのブートレッグCDで、この盤の他に19曲くらい入ったミックス違いのCD-R盤も存在するようですが、今ではいずれも入手困難です。

 是非オフィシャルリリースを期待します。