功夫
監督: チャウ・シンチー
音楽: レイモンド・ウォン
出演: チャウ・シンチー、ユン・チウ、ユン・ワー、ドン・ジーホワ
2004年 香港映画

 

 

アンビリーバブルなサッカー対決を描いた「少林サッカー」が世界的ヒットとなったチャウ・シンチーの最新作。

 

最強のギャング団「斧頭会」に入ることを夢見るチンピラが主人公で、彼が「斧頭会」と貧民街「豚小屋砦」の住民とのトラブルに巻き込まれ、隠れていた自らの力に目覚めるまでを描いています。
と、これだけ書くとまっとうな映画のように思えますが、実際はかなり過激なアクションとギャグの応酬になっています。

「豚小屋砦」は貧しい人々の集まりだとばかり思っていたら、実はカンフー最強の達人が5人も潜んでいたりします。
だから、「斧頭会」の連中が手斧を片手にエージェント・スミスばりに襲いかかっても、一網打尽にされてしまいます。

怒りに燃える「斧頭会」のボスが、次々と刺客を送り込んで、アクションはどんどんエスカレートします。
イエン・ウーピンによるワイヤー・アクションが冴え渡っていて、これにCGが加わる様は、
まるでコメディ版「マトリックス」です。

ただ直接描写は少ないものの、冷静に見るとかなり残酷なシーンもあって、笑いに戸惑う場面も・・・。
シリアスとギャグが同居する奇妙な映画です。

しかし、ブルース・リーともジャッキー・チェンとも違う全く新しいカンフー映画として大歓迎です。

 

音楽は「少林サッカー」に引き続きレイモンド・ウォンがスコアを担当しています。

前作は香港映画史上屈指の「燃え」スコアになっていましたが、今回は7曲が収録されています。
これに加えて、劇中使用された既成曲やクラシック、セリフ、さらには「ハッスル」をキーワードにした楽曲がが入っています。

オープニングを飾るいかにもカンフー映画っぽい曲はチャウ・シンチーの作曲だそうです。
監督・主演・音楽までこなすとは、まるでチャップリンのようです。

 

前作はまさかの日本のみの発売でしたが、今回はワールド・ワイドに発売されています。
日本盤は「シアワセナラテヲタタコウ」というイメージ・ソングも収録されていますが、オリジナルの音源にこだわるファンには必要ないサービスかも。
 

 

本作では、前作ほどの燃えスコアは無く控えめな印象を受けますが、
京劇風のチャイニーズな曲が入っており、劇中でも効果的に使われていました。
やはり、カンフーにはこういう音楽が合いますね。
香港映画ならではのオリエンタルな雰囲気が出ていて最高です。