THE LONG RIDERS
監督: ウォルター・ヒル 
音楽: ライ・クーダー 

出演: デヴィッド・キャラダイン,キース・キャラダイン,ロバート・キャラダイン,ジェームズ・キーチ,ステイシー・キーチ,ランディ・クエイド,クリストファー・ゲスト,ランス・ゲスト,デニス・クエイド
1980年 アメリカ映画





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ウォルター・ヒル監督が描くバイオレンス西部劇の傑作。
( サム・ペキンパー亡き後,彼の後継者はウォルター・ヒルしかいないと思っていましたが、
超駄作SF「スーパーノヴァ」の監督を降ろされてからはさっぱりという感じで残念。)
本作品は、バイオレンスとウェスタン特有の叙情が見事にブレンドされた逸品に仕上がっていました。
南軍くずれのジェイムズ兄弟を中心とした兄弟従兄弟で編成された、実在のギャング団の結成から末路までを描いています。
さすがにアクションシーンは素晴らしく,クライマックスの銃撃戦や,乗馬したまま馬もろとも店に突っ込むシーンが強烈な印象を残します。
ギャング団の兄弟を実際の兄弟俳優(キャラダイン兄弟、キーチ兄弟、クエイド兄弟、ゲスト兄弟)が演じています。






 

 

 

音楽は,ウォルター・ヒルの友人でもあるライ・クーダー。
多くのウォルター・ヒル作品を手がけています。
もともとボトルネック・ギターで燻し銀の味わいを出すホワイト・ブルースの名ギタリストです。
本スコアは、アメリカのトラディショナル風のアコースティックな音作りで、アコースティックなブルースという感じの雰囲気です。
LPを買った当時は、エルマー・バーンスタイン風な音を期待していたので、子供心に「何だ、これは? 失敗した(T_T)」と思いました。
しかし,今改めて聴いてみると、それまでのウェスタン音楽とは全く赴きを異にする画期的な音でした。
僕も年を重ねるうちにロック・ミュージシャンとしてのライ・クーダーの音に接するようになり、
だんだんとこのアルバムの良さが分かってきました。
よく考えれば,かつての西部開拓時代のリアル・タイムな音により近いBGMだったのだと気づきました。
アコギにスライドを当てた音にものすごく枯れた味わいがあり,映像に見事にマッチしていました。
バックのメンツもライ・クーダーのオリジナル・アルバムと比べても遜色ないくらい豪華です。
何曲か歌モノがありますが,これまた枯れた味わいの歌になっています。
テーマ曲はかなりアコースティックで乾いた音で、当時の映画のテーマ曲としては相当異色ですが、
何回も聴くうちにだんだん味わいが出てくる感じです。
数ある西部劇サントラの中でも,いい意味で一際異彩を放つアルバムだと思います。




・・・と、ここまでが過去記事。

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