LE CERCLE ROUGE
監督: ジャン=ピエール・メルヴィル
音楽:エリック・ドマルサン
出演: アラン・ドロン、イヴ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ、フランソワ・ペリエ、ブールヴィル
1970年 フランス映画

 

 

 

フレンチ・フィルム・ノワールの巨匠、ジャン=ピエール・メルヴィルの傑作。
元警察官、脱獄囚等5人の男たちによる宝石店強盗とその顛末が描かれます。
当時のフランス映画界のスターがこぞって出演しており、ドロンとイヴ・モンタンの初共演作としても知られています。
独特のカラー処理がされた映像が特徴的で印象に残ります。
ちょっと、本編が長尺なため、ヨーロッパ映画を見慣れない人には退屈な印象を与えてしまうかもしれません。
でもクールなフィルム・ノワールを観たいという人にはお勧め。
本作では、ドロンよりイヴ・モンタンの方が良かった。

 

 

 

 

音楽は、「影の軍隊」等のフィルム・ノワール作品で有名なエリック・ドマルサン。
ダニエル・ユメールやジョルジュ・アルヴァニタスといった当時のフレンチ・ジャズの実力派を起用して、全編クールなジャズスコアに仕上げています。
あんまりクールすぎてサントラにしては無表情な印象を受ける曲もあります。
ベルナール・リュバのヴィブラフォンがクールネスに拍車をかけているような気がします。
なかなかいい雰囲気です。
劇伴の中に前述のダニエル・ユメールのドラム・ソロみたいなタム回しだけで構成された曲があったりして面白い。
また、全体的にクールな中、1曲だけ哀愁ただよう20曲目が素晴らしい。
トランペットがフィーチャーされたこの曲は、男の哀愁が漂うなかなかの作品です。
他の曲が無表情なので、余計にこの曲が引き立つような感じがします。
サントラは、日本盤も出ていたと思います。
原盤はフランスのUniversal Franceで、一時フランス国内でフランス映画のサントラを大挙CD化した会社です。