HARRY AND TONTO
監督: ポール・マザースキー
音楽: ビル・コンティ
出演: アート・カーニー、エレン・バースティン、チーフ・ダン・ジョージ、ラリー・ハグマン、ジェラルディン・フィッツジェラルド、メラニー・メイロン
1974年 アメリカ映画

 

 

 

ニューヨークの住まいを追い出された老人が、猫と一緒に西海岸に住む娘のところまで旅をするというお話。
「グリニッジビレッジの青春」のポール・マザースキー監督のほのぼのロード・ムービーです。
老人が主人公なので、淡々と静かに物語が進んでいきます。
僕は「グリニッジビレッジ・・」よりこっちの方が好きです。
主演のアート・カーニーは本作でアカデミー主演男優賞を受賞しています。
旅の途中で出会う人々との心温まるエピソードが綴られていく作品で、
DVDになっていなのが不思議なくらいです。

 

 

 

 

音楽はビル・コンティ。
この人はロッキーに代表されるような「燃え」スコアが有名ですが、
実は地味なテーマのヒューマン・ドラマにその真価を発揮するような気がしてなりません。
「二人でスローダンスを」「F.I.S.T.」「結婚しない女」「パラダイス・アレイ」「アンクル・ジョー」等々。
ちなみに僕はこの人の作品で一番好きなのは「アンクル・ジョー」だったりします(^_^;)
これもかなり地味です。ビデオも無いくらいですから。
厳密に言えば「ロッキー」も作品のテーマとしては地味なのですが・・・。
本作のテーマ曲は、ピアノ、シンセ、ハーモニカをベースにとても暖かいメロディで構成されています。
アルバム全体が優しい雰囲気を醸し出しており、アルバム単独でも十分鑑賞に耐える作品です。
なお、スコアには所々にダイアローグが挿入されており、映画の雰囲気を耳で味わうことが出来ます。
このころのサントラは、まだレンタルビデオが流通していない時代だったので、ダイアローグ(セリフ)が挿入されているサントラが結構ありました。
今ではDVDがあるので、ダイアローグ盤の役目は終わっているといって良いでしょう。
残念ながら、こんな心温まる傑作サントラが未CD化なのです。
「勝利への脱出」を音源化したくらいですから、この作品も是非CD化してほしいものです。