STAR TREK-THE MOTION PICTURE
監督: ロバート・ワイズ
音楽: ジェリー・ゴールドスミス
出演: ウィリアム・シャトナー、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、パーシス・カンバッタ、スティーヴン・コリンズ、ジェームズ・ドゥーアン、ジョージ・タケイ、ニシェル・ニコルス、ウォルター・コーニッグ
1979年 アメリカ映画

 

 

 

60年代SFTVシリーズの傑作「宇宙大作戦」の劇場版第1弾となる作品。
本作は70年代後半に既に脚本がほぼ完成していたそうですが、「スター・ウォーズ」の大ヒットにより、
これをボツにして、「スター・ウォーズ」とは一線を画するストイックな路線へ変更したといわれています。
これが功を奏して「トレッキー」と呼ばれるコアなファンを生むことになりましたが、
従来からのファンからは難解だと不評だったのは確かで、中学生だった僕も劇場で観て何だかよく分からないまま終わってしまったという印象でした。
しかし、巨匠ロバート・ワイズ監督による確かな演出により、哲学的とも言える重厚な味わいがあります。
特撮を手がけたダグラス・トランブルとジョン・ダイクストラもいい仕事をしていました。
TVシリーズに比べてストイックすぎたのか、続く2作目「カーンの逆襲」ではエンターテイメント路線に軌道修正されましたが、
3作目でまた元の路線に戻ってしまいました。
さらにシリーズを追う毎に、両方の要素が上手くブレンドされていったように思います。
僕としてはこのストイック路線がお気に入りです。
キャストは、オリジナルのTVシリーズの面々を起用、独特の風貌のミスター・スポックもしっかり出ています。

 

 

 

 

音楽は、巨匠ジェリー・ゴールドスミス。
「スター・ウォーズ」以降、この頃のSFは壮大なオケによる演奏が流行っていて、
巨匠もシンセ等は一切使わず、ダイナミックなスコアを聴かせてくれます。
唯一シンセのように聞こえるのも、なんとかというスプリングのお化けのようなアナログ楽器です。
しかし、いくら「スター・ウォーズ」が流行ったからといって、
二番煎じのようにはなっていないのが、巨匠の素晴らしいところです。
スコアは公開ギリギリで完成したそうで、一部のスコアをフレッド・スタイナーという人が書いているそうです。
テーマ曲は、後のTVシリーズ「新・スター・トレック」でテーマ曲として採用され、
今では「スタトレ」といえばこの曲という感じでスタンダード化しています。
アレクサンダー・カレッジが手がけたオリジナルの「宇宙大作戦」のテーマも捨てがたいですが、
僕はこっちの方が好きです。
サントラは約40分のスコアですが、後にアニバーサリー盤としてボーナストラックが9曲も入った長尺盤が発売されました。
でも、タワレコの検索でヒットしないので、現在ではレギュラー盤も廃盤かもしれません(T_T)