NACHO LIBRE

監督;ジャレッド・ヘス
音楽:ダニー・エルフマン
主演:ジャック・ブラック、エクトル・ヒメネス、アナ・デーラ・レゲラ、リチャード・モントーヤ、ピーター・ストーメア、セサール・ゴンザレス、ダリウス・ロセ
2006年 アメリカ映画





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全編黄色いフィルターがかかったようなトウモロコシ色のプロレス・コメディ。
本編を実際に観るまでは、ミニシアター系のメキシコ映画だとばかり思っていました。
ジャック・ブラックが主演と聞いて初めてアメリカ映画だと気づいた次第。
キャストもジャック・プラックとピーター・ストーメア以外は、ラテン系の名前の知らない人ばかり。
これ、実話がヒントになっているそうですが、貧しい修道院の料理番をしているナチョが、
修道院を救うために、修道院では観ることすら禁じられているメキシカン・プロレス(ルチャ・リブレ)に覆面レスラーとして出場して、
ギャラで子供たちにご馳走を食べさせてやろうとする‥・というお話。
ナチョがせっかく街で集めた食材を横取りするホームレスの若者を相棒に仕立て上げる過程や、
この2人がヘンテコなプロレスの特訓をするシーンが結構笑えます。
太って腹が出たナチョと、ガリガリで馬面の相棒の凸凹コンビぶりは、観ているだけで笑えます。
特訓の最中、ナチョがジャンプして相棒に飛びかかる瞬間に「ブ~」ってオナラの音がするあたりは、懐かしいの「ドリフ大爆笑」を思い出しました。
個人的にはノスタルジーを覚えるこの手の下ネタギャグ大好きです。
ジャック・ブラックが出るコメディは、「抱腹絶倒」とまではいきませんが、ラストではほっこりと心が和むので好感が持てます。








音楽は、なんとダニー・エルフマン。
フルスコア盤が出ないのが非常に残念ですが、劇中印象的に使われる歌モノ、既成曲の数々が結構魅力的なので、
コンピレーション盤でも十分映画の雰囲気が伝わってくる内容になっています。
レスリング・シーンに流れるアクション風スコアは、メキシカンなタッチにエルフマン節が合体した好スコアです。
エルフマンのバンド「オインゴ・ボインゴ」でもよく使われていたスカのリズムが躍動感を出しています。
このシーンのスコアだけでも追加収録されればよかったのに。
サントラCDでは、エルフマンのスコアは「組曲」として3分に凝縮されています。
もっと聴きたいなあ(T_T)
とはいうものの、サントラに収録されている他の曲も、スコアに引けを取らない個性を持った曲の数々です。
「ベック」のやる気のないユルユルのアコースティック・ロックが3曲収録されていますが、メキシコののどかな田舎風景にとてもマッチしています。(うち2曲はこの映画のための書き下ろし!)
オープニング・シーンは、黄色いフィルターがかかったようなやけにシャープな映像に、メキシコ民謡っぽいのどかな主題歌が流れます。
リコーダーが奏でるメロディが、この歌のユルユル度を更にアップしています。
他にALAN HAWKSHAW & ALAN PARKER名義のハモンド・オルガンが活躍するレアグルーヴな70年代チューンや、
ジャック・ブラックが歌うメキシカン・ロック・チューン、エディ・サンチャゴのサルサっぽい曲、ロス・ロボスの渋いインスト、ブラジルの大御所カエターノ・ヴェローゾ
さらにはジョン・キャメロン作曲のモンドでエロいチューンまで入って盛りだくさんな内容になっていま
す。
全体的にメキシカンなイメージで統-されていて、映像同様、まるでメキシコ映画のサントラを聴いているようです。