THE LONGEST DAY
監督: ケン・アナキン、ベルンハルト・ヴィッキ、アンドリュー・マートン
音楽: モーリス・ジャール
出演: ジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、ジャン=ルイ・バロー、ロバート・ライアン、リチャード・バートン、ロバート・ミッチャム、ショーン・コネリー、ロッド・スタイガー、ロバート・ワグナー
ジェフリー・ハンター、リチャード・ベイマー、ポール・アンカ、メル・ファーラー、フェビアン、スチュアート・ホイットマン、スティーヴ・フォレスト、トム・トライオン、サル・ミネオ、ロディ・マクドウォール
レッド・バトンズ、エディ・アルバート、エドモンド・オブライエン、ケネス・モア、クルト・ユルゲンス、ゲルト・フレーベ、ブールヴィル、クリスチャン・マルカン、イリナ・デミック、マドレーヌ・ルノー
1962年 アメリカ映画



・・・平日の過去記事アーカイブシリーズ。




「プライベート・ライアン」の冒頭でも描かれた、第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦(オーバーロード作戦)を48大スターの共演で描いた一大戦争スペクタクル。
米(アンドリュー・マートン)英(ケン・アナキン)独(ベルンハルト・ヴィッキ)3人の監督にそれぞれメガホンを取らせて、本編中、英語、ドイツ語、フランス語が飛び交う国際色豊かな作品でした。
48人もスターが出ているのに、ちゃんとそれぞれ見せ場が用意されているところがスゴイ。
一番印象に残るのはやはり上陸作戦の指揮官ロバート・ミッチャムと空挺師団の指揮官ジョン・ウェインかなあ。
「遠すぎた橋」のコーネリアス・ライアンの原作をもとに、史実に出来るだけ忠実に作られた作品で、上陸作戦の撮影も実際にノルマンディー海岸で敢行されたそうです。
ダリル・F・ザナックが約40億円の巨費を投じて製作された映画で、上映時間3時間というスケールの大きさに圧倒されます。
長尺の映画なのに、何度観ても最後まで飽きさせません。
CGの無い時代にこれだけの映像を撮るとなると大道具、エキストラ等々大変だったと思います。
上陸作戦を上空から西から東へ一気に駆け抜けるように撮影したシーンは圧巻です。
時代考証も結構しっかしていて、兵器、車両ともあんまりヘンなものは出来てません。
ただ難点をあげるなら、実際は上陸作戦の時に海岸上空に大量に上げられていた阻塞気球が1個も登場しないこと。
あと、上陸部隊を急襲するドイツ軍機に描かれたドイツ軍マークの鉤十字の向きが反対で、「ハーケンクロイツ」じゃなくて「卍(まんじ)」になっていたこと(^^;)
全編を白黒映像で統一したのは、決して予算オーバーしたとか、カラーが普及していなかったということではなく、戦争当時の記録映画のような雰囲気を出したかったからだとか。
なお、後にコンピューター技術を駆使して白黒に色を付けたカラーライズ版なるバージョンが登場しました。
これを初めて観た時は、まるで別の映画をみているような錯覚を覚えました。
当たり前のことですが、海岸の空が明るく着色されているので、モヤ~っとしていた白黒映像の時に比べてグッとシャープな印象になっています。
オリジナルの重厚な風格は白黒ならではのものですが、カラーライズ版も案外新鮮な驚きがあります。




音楽は、フランスのモーリス・ジャールが担当。
本作は主題曲となるあの有名な「マーチ」を、自らも出演したポール・アンカが作曲したことで知られています。
なんでも、撮影中に彼が鼻歌のように思いついたメロディが元ネタだとか。
さすがにシンガーが思いついた曲だけあって、勇壮な中にも躍動感があって親しみやすい明るいマーチです。
この曲は本編ではエンディングの直前に数分間流れるだけですが、再録音されたオケによるマーチを始め、
ミッチ・ミラー合唱団やポール・アンカ等、シングル・カットしたものが売り出され、大ヒットしました。
このような名曲ですが、オリジナル音源のスコアとしては、今までまともに発売されたことが無いのが不思議な作品です。
正真正銘のサントラ盤としては、フランスのバークレー・レーベルから出たシングル盤のみ。
メイン・タイトルや、BBC放送で流れるティンパニの曲を始め全7曲収録されていますが、
全部で10分にも満たないこぢんまりとした内容です。
日本ではマーチが他の映画のサントラとのカップリングという形でシングル盤として発売されました。
この時の音が「疑似ステレオ」とかいって、モノラルを強引にステレオっぽく聴かせる不自然な細工が施されていました。
まるで、ステレオのピンプラグが半分抜けかけた状態の時の音みたいでした。

一応LPも発売されましたが、なんとスコア盤ではなく、劇中のセリフやナレーションを集めたダイアローグ盤でした。
ということで、スコア盤LPはこれまで発売されたことがありません。
まあ、LPに収めるほど本編に音楽が入っていないような気もしますが・・・・。



でも、オープニングで流れるドラムだけのめちゃめちゃシンプルなマーチや、
ベートーベンの「運命」の冒頭部分をティンパニだけで表現した「ダダダ ダン」の繰り返しの曲なんか大好きなんだけどなあ。
なお、「史上最大の作戦マーチ」は日本人によるカバー・バージョンが存在するということは案外知られていないようです。
歌っているのは、克美しげるという人。
その昔、白黒テレビアニメ「エイトマン」の主題歌を歌った人です。
ポール・アンカのバージョンに日本語の歌詞を付けた曲で、「いつも 戦いは つらい ものだぜ~♪」みたいな歌詞が付いているようです。
是非一度聴いてみたいものです(^^;)
   




・・・と、ここまでが過去記事。
実は、iTunes Storeを何となくいじっていたら、
なんと、フランス盤シングル全7曲にポール・アンカのボーカル・バージョンを追加した8曲入りのダウンロード版を発見。
こんなものが出てたなんて・・・・。
どうやらアナログ起こしのようで、スクラッチノイズが入ってるのが少し残念ですが、
シングル盤レコードが入手困難な中、これはなかなかの拾い物です。
例のマーチも、オリジナル・バージョンは再録音盤に比べて軽やかなイメージです。
i-Tunesやamazonの日本サイトで購入できます。
そして、さらにその後ダウンロード版に加えて、MilanレーベルからCDが発売されました。
ちょっと変則的な内容で、本作品からは10曲が収録され、残り10曲は他の映画からのボーナストラックです。
本作からのトラックは、フランス盤シングル8曲に"Yankee Doodle - The Girl I Left Behind Me (Marche)"と"Dixie"を追加した内容。
一部音源が残っていなかったのでしょうか、前半の曲はかなりスクラッチノイズが気になるアナログ落としが丸わかりの音質。
僕は正直なところジャケが欲しかったので、盤としてはある程度覚悟はしていましたが、
購入される場合はそのあたりを割り切ってご購入されることをお勧めします。
さらに、後半のボーナストラックも???な内容。
「地獄の決死隊」、「パリは燃えているか」、「鉄路の戦い」などはいいとしても、「禁じられた遊び」とか入っています。
パチモンの観すぎで名画にアレルギーのあるおっさんとしては、「禁じられた遊び」はなあ。
ちょっと残念。
まあ、あれこれ文句をつけましたが、実際にCDとして手に取ってみると、
何とも感慨深いものがあります。





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