THE MEXICAN
監督:ゴア・ヴァービンスキ一
音楽:アラン・シルヴェストリ
主演:ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、デヴィッド・クラムホルツ、ボプ・バラバン
シャーマン・オーガスタス、マイケル・セルベリス
2001年 アメリカ映画


CM界出身のゴア・ヴァービンスキー監督が2大セレブを主演に持ってきたロマンティック・コメディ。
ブラピとジュリア・ロパーツを贅沢に使った割に、ユルユルのコメディ路線になっており、
僕としてはいい意味で裏切られた1本。
この2人が出てきて、もっとロマンチックなシーンがあって、スタイリッシュな感じのドラマだったらたぶん観てませんでした。
真面目なのか、ふざけてるのか紙一重なところが妙に心地よかった。
いきなりどっかから出てくるジーン・ハックマン(ノークレジットだけどホンモノ)も面白い。
呪われた伝説のけん銃「メキシカン」を巡って、組織とその周辺の男女が争奪戦を繰り広げるお話です。
組織の運び屋ブラッド・ピットとその恋人ジュリア・ロパーツが主人公で、
恋人に組織から足を洗って欲しくて、ジュリア・ロバーツが一人ラスベガスに旅立ったことから、
これを最後の仕事と、ブラピは伝説のけん銃「メキシカン」と1人の少年をロサンゼルスまで運ぶ仕事を引き受けるというもの。
一方、ジュリア・ロパーツの方は途中で組織の殺し屋の人質になってしまい‥‥・
という風にお話が展開したように思います(結構いい加減な記憶かも(^^;))

音楽は、アラン・シルヴェストリ。
監督のゴア・ヴァーピンスキーとは「マウス・ハント」に続く2度目のコラボとなります。
本作のスコア、全編にわたってマカロニ・ウェスタンヘの音のオマージュがプンプン感じられるうれしい内容になっています。
サントラ盤は、のっけから「荒野の用心棒」かという雰囲気の情熱的なマカロニ系トランペット・チューン。
1分にも満たない曲なのですが、もっと長<聴きたいなあと思っていたら、
アルバム後半でしっかり長尺で聴かせてくれます。
他にもなんとなくとぽけた曲調に口笛やハーモニカ、バンジョー、変なかけ声が入ったりして、
「これ、モリコーネじやん」と思わず叫んでしまいたくなるような曲があったり、
マカロニ好きは思わずニヤリとしてしまうスコアです。
特に口笛をあしらったゆるいテンポのモチーフは、「夕陽のギャングたち」や「進撃0号作戦」、「さすらいの逃亡者」あたりを彷彿とさせます。
モリコーネのイキなパロディという感じで好感が持てます。
タイトルが「メキシカン」なだけに、マリアッチ風な曲も何度か顔をだします。
なお、スコアの他に歌モノが4曲入っています。
ナンシー・シナトラ、ディーン・マーティン、ウオー、メン・ウィズアウト・ハット、エスキヴェルといった面々。
前半の3曲はなんとなく分かるけど、
後半の2曲はなんでこんなものが選曲されたのか、ほんと嬉しくなってしまいます。
メン・ウィズアウト・ハットは80年代に活動していたカナダのニュー・ウェイヴ・バンドで、
オーストラリアのロック・バンド「メン・アット・ワーク」に名前がよく似ていたので、当時間違えてアルバムを買ってしまう若いリスナーが続出したとか(ウソ)。
このバンド、あんまり売れなかったと思いますが、僕は本作に収録されている曲を含む彼らの1stアルバムを持ってたので、大変懐かしく聴きました。
また、エスキヴェルも意外でした。
60年代を中心にオーケストラを率いて活躍した人で、マーティン・デニーやレス・バクスター等と比較されることが多く、ライトでエキゾチックな音が魅力です。
サントラCDはまだ新品が入手可能かも知れませんが、
Book Offなどに行くと、なんと250円位で売られていることがあるので、それを見つけて購入されることをお勧めします。
マカロニ好きな人には、お買い得感の高い好スコアです。
The Mexican [Music from the Motion Picture]

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