UNBREAKABLE
監督: M・ナイト・シャマラン
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ロビン・ライト・ペン、スペンサー・トリート・クラーク、イーモン・ウォーカー、シャーレイン・ウッダード、レスリー・ステファンソン、マイケル・ケリー
2000年 アメリカ映画


「シックス・センス」で大ブレイクしたインド出身の監督M・ナイト・シャラマンが再び挑む驚愕のスリラー第2弾。
僕としてはいい意味で裏切られた作品でした。
ネタバレになるといけないので、例によって抽象的な表現なのですが、
まさかそういう方向へ話が進んでいくとは思ってもみなかったので、
前作のラストが容易に予想できてしまった僕としては今回の方が「う~ん」と唸らされてしまいました。
100人以上が死んだ列車事故という大惨事の中で、たった一人だけかすり傷一つなく助かったおっさんの秘密が描かれていくお話なのですが、
なんでこのおっさんだけが助かったのか・・・・おっさんに隠された秘密とは・・・・・、その理由が実はスゴい。
でもこんな種明かしなのに、すごく重くヘビーで深刻なお話に仕上げているところが新鮮で面白い。
細かなところまで伏線がいろいろと張ってあって、2度、3度と観たくなる映画でした。
シャラマン作品の中では、実は一番好きな作品かも。
次作の「サイン」以降はどうもしっくりこないお話が多くて残念です。
「ハプニング」はまだ観てないのですが、「サイン」なんかはあんまりヒネリのない作品だったなあ。
ミステリー・サークルの種明かしはモロあれだったもんなあ(^^;)


音楽は、シャラマン監督作品をずっと手がけているジェームズ・ニュートン・ハワード。
この人は、サスペンス作品にはほんと無味乾燥なスコアを書くことが多い人で、
シャラマン監督作品のスコアも、メロが希薄な空気のようなアンダースコアが多いのが特徴です。
本人さんも、スコアは常に映像を引き立てるために存在するものだと思っておられるようで、
あえて製作者側から要求されない限り、決して映像より目立つスコアは書こうとはしないようです。
そんな中で、本作は同監督作品の中では、一番メロがしっかりしたスコアだと思います。
テーマモチーフは悲しげなメロなのですが、劇伴では静かに奏でられることが多いのが、
時にヒロイックな表情を見せるとても意外な展開を見せるスコアです。
(その理由は本編を観れば分かります。)
本作のスコアのもう一つの特徴は、テクノっぽい打ち込みが導入されているということ。
リズムトラックは、一時流行ったグレゴリアン・チャントをフィーチャーした「エニグマ」の曲に似ています。
劇伴は、終始映像を引き立てる裏方に徹したアンダースコアで、
一般のサスペンス映画のスコアに比べるとやはり地味な印象はぬぐえませんが、
ジェームズ・ニュートン・ハワードが手がけるサスペンス映画のスコア中では自己主張のある方だと思います。


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