...4..3..2..1...morte
監督:プリモ・ゼリオ
音楽:アントン・ガルシア・アブリル、マルチェロ・ジョンビーニ
出演:ラング・ジェフリーズ、エッシー・ペルソン、ジャンニ・リッツォ、ルイス・ダヴィラ、ピンカス・ブラウン、ステファノ・シバルディ、ジョン・カールセン、ミレッラ・パンフィーリ
1967年 イタリア映画


本邦劇場未公開ながら、実は「バーバレラ」より前に製作されたというポップでアダルトなマカロニSFムービー。
これをパチモンと呼べるかどうか微妙なところです。
というのは、衣装デザインはフェリーニの「アマルコルド」を手がけたジョルジョ・ジョバンニーニだし、美術監督は「続・黄金の7人」のハイメ・ペレス・クベーロだし、
「サン・ロレンツォの夜」の撮影監督が参加していたり、僕の好きなパチモンとはちょっと一線を画す、
イタリア映画としては立派な作品といえます。
まあ、ハリウッドのSFに比べるとショボいのには変わりありませんが、まあまあ頑張っている作品です。
意外にポップでモンドな映像に驚きます。
ヒロインの宇宙人にスウェーデンのポルノ映画「わたしは女」に出てたエッシー・ペルソンを使ったりして、
「バーバレラ」のお色気路線の先駆けと言えます。
でも、やっぱりストーリーはしょうもないかも。
月面クレーターを調査するため宇宙飛行士たちが月へ送り込まれますが、そこで遙か遠い星からやってきた高い知能を持った宇宙人に遭遇します。
彼らは進化しすぎて弱ってしまった遺伝子に太陽系の惑星の若い人類の遺伝子を掛け合わせることで、
種の絶滅を防ぐという目的で月にやってきたと話しますが、宇宙人のリーダーが白血病にかかっていることが分かり、
地球で治療を受けさせようと彼らを地球へ連れ帰りますが・・・・というお話、
この映画、モンドな香りが強いカルト・ムービー的作品として、なんと日本ではDVDが発売されています。


音楽は、スペインのアントン・ガルシア・アブリルとイタリアのマルチェロ・ジョンビーニの共作。
この2人、「ガンマン無頼」と「西部悪人伝」というマカロニ・ウェスタンの名作をそれぞれ手がけた人で、この組み合わせは結構面白い。
テーマ曲はイントロのエレキギターがマカロニ・ウェスタン風でちょっと不安になりますが、途中からモンドでポップな楽しい曲に様変わりして一安心。
この曲は、モリコーネ作品で知られるエッダとイ・カントリ・モデルニが参加していて、モリコーネっぽい感じになっていて、キッチュでなかなかいい曲です。
劇伴は、古典的なSFにありがちな電子音的なシンセ(というよりオルガン)をベースにしたジャジーでスペーシーなスコアの他に
時折妙な混声コーラスが入ったり、土俗的なパーカッションに男性コーラスがかぶるニューギニア風の音楽が入ったり、
あんまりSFっぽくない曲が意外と多く収録されています。
中には、エレキ・ギターをフィーチャーしたサイケなロックまで入っています。
サントラ盤は、イタリアとドイツでCDが発売されています。
CD化にあたっては、デジタル・リマスターが施されているようです。




...4..3..2..1...Morte [12 inch Analog]/Original Soundtrack

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