THUNDERBOLT AND LIGHTFOOT
監督: マイケル・チミノ
音楽: ディー・バートン
出演: クリント・イーストウッド、ジェフ・ブリッジス、ジョージ・ケネディ、ジェフリー・ルイス、キャサリン・バック、ゲイリー・ビューシイ、ジャック・ドッドソン、ジーン・エルマン、バートン・ギリアム
1974年 アメリカ映画




平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・




マイケル・チミノ監督とイーストウッドの最初で最後のコラボ作品。
70年代のイーストウッド作品は、ぼちぼち自分でメガホンを取り始めたころなので、
ついこれも自分で撮った作品だったかなあと勘違いする時があります。
本作品は、チミノ監督作品の中では、かなり傑作の部類に入る作品じゃないかと勝手に思っています。
ストーリーは、派手なやり方で銀行を襲うサンダーボルトと呼ばれる男が、強奪した大金をネコババしたと仲間から疑われて追われることになり、
その途中で新しい若い相棒を見つけて、金の隠し場所へ行きますが、そこはもう別の建物が建っていました。
しかたなく彼らはかつてと同じ方法で再び銀行強盗を計画する・・・・というお話です。
映画のチラシを見ると、銀行強盗シーンで使われた20mm機関砲がクローズアップされているので、
銃撃戦満載のド派手なクライム・アクションと勘違いしそうです。
むしろ、この映画はこけおどし的なアクションなどは無用の「男」の映画です。
かなりストイックな作品で、70年代独特の香りを持った大人の映画という感じです。
ロードムービー的な要素もある不思議な映画です。
この感覚はなんだろう・・・と思っていたら、アメリカン・ニュー・シネマのテイストですね、これは。
クールなイーストウッドもいつもながらいかしてますが、切ないラストも相まって、ジェフ・ブリッジスがすごくカッコいい。
こんな映画、最近じゃなかなかお目にかかれないですね。




音楽は、70年代イーストウッド作品では「恐怖のメロディ」や「荒野のストレンジャー」を手がけたディー・バートン。
スコアはアッサリめのものがポツポツと入る感じで、本編全体を通しても20分に満たない感じです。
カントリー調のスコアが多く、それぞれの曲も短いため、残念ながらサントラ盤LPは発売されませんでした。
唯一、ラストで流れるポール・ウィリアムスが歌う「故郷への道を教えて」がシングル盤として日本でも発売されました。
この曲がラストの感動をさらに引き立てていたように思います。
この歌は、ポール・ウィリアムスの2枚目のオリジナルアルバム「Life Goes On」に収録されていて、
かつてはCDが発売されたこともあります。(今は廃盤かもなあ)
ポール・ウィリアムスのサントラといえば、「ファンとム・オブ・パラダイス」とか「ダウンタウン物語」、「シンデレラ・リバティー」等が有名ですが、
「故郷への・・・」が収録されたアルバムも、ソフト・ロックっぽい内容で、70年代のソング・アルバムとして味わい深い曲の数々が並んでいます。
僕は「Life Goes On」についてはLPしか持っていないので、
せめてこの主題歌が入っているこのアルバムだけでも再発してくれないかなあ。
なお、スコア盤はアメリカでブート(海賊盤)が出たことがあるようですが、
どんな内容なのかは情報不足でよく分かりません。




・・・と、ここまでが過去記事。

いまだにサントラは発売されませんが、ポール・ウィリアムズの例のアルバムはダウンロード版も入手可能になってます。