L'ALDILA

監督: ルチオ・フルチ

音楽: ファビオ・フリッツィ
出演: カトリオーナ・マッコール、デヴィッド・ウォーベック、サラ・ケラー、ヴェロニカ・ラザール、アンソニー・フリーズ、ジョヴァンニ・デ・ナヴァ、アル・クライヴァー

1980年 イタリア映画





平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・







マカロニ・ゾンビ・ホラーの帝王、ルチオ・フルチ監督が手がけた未公開ホラーの珍作。

例によって、「地獄の門が開かれた~!」という設定なので、おっさんの中では同じく御大が手がけた「地獄の門」とほとんど区別がつかなくなってます。

同じ時期に作られたうえに、悪いことに主演もカトリオーナ・マッコールで同じだし、音楽もファビオ・フリッツィの同じようなスコアだし(実際、同じ曲が一部使われていたようです)、これで区別しろという方がおかしいかも。

ま、フルチ監督のゾンビ映画なので、どれも同じだと最初から自分に言い聞かせて観ると腹も立たないでしょう。
ストーリーは、説明するまでもないのですが、一応解説すると・・・・・なんでも古いホテルの地下に「地獄への門」が隠されていて、

それが何かの拍子に開いちゃって、おっさんが顔に酸をかけられて顔が溶けて死んだり、盲目の女性が盲導犬に喉を噛み切られたり、

クモに顔を食われる人が出たり、お下げ髪の少女が顔面をショットガンで打ち抜かれて顔にでっかい穴が開いたり、メチャクチャな事態になる・・・というお話。


ジャンネッット・デ・ロッシの鬼メイクが壮絶で、吹き飛ばされた少女の顔や地下室の腐乱死体とか、手抜きは一切なしです。

観ていて腐臭が漂ってきそうです。

いろんな惨劇が繰り広げられるのですが、これが全部「地獄の門」が開いたせいだ、という説明になってます。

ラストのカオスな終わり方がよく言えばシュール、悪く言えば意味不明。
まあ、地獄の門が開いちゃうとこんなひどいことになるんですよ、みなさん、という警鐘を込めた作品です(ウソ)。







音楽は、フルチ監督作品の常連、ファビオ・フリッツィ。
ゴブリンの連中とも接点があり、過去にはサントラを共作したことも。
この人自身、イタリアン・プログレッシヴの臭いがプンプンするので、
かつてはその筋の仕事もしてきたのではないかと思われます。
テーマ曲は、「地獄の門」のようなモロ「サンゲリア」調ではなくオリジナルな曲。
シンセ(メロトロンかなあ、もしかして)でお坊さんのお経のようなコーラスの音を作っているのですが、
この音って、当時オカルティックでかなり気色の悪い音に聴こえてたので
おどろおどろしい本編にいい効果を出していたと思います。
でも、ちょっと哀愁のあるメロが付いているのは意外。
フレットレス・ベースが結構カッコ良く使われています。

このテーマ曲は、リズムが水戸黄門だけどなかなかお勧め。

さらに、印象的なスコアとして、テーマモチーフを活かした混成コーラスをフィーチャーした壮大な(笑)モリコーネ風のトラックがあります。不気味な男性コーラスをバックに女性ソプラノが「ランララララン、ララララララン」と歌うカオスな曲。これは耳に焼き付きます。

サントラは、LPに始まって、CDの時代にも何度かカップリングという形でメディア化されてきています。
「ラットマン」とカップリングになったものもあれば、日本のSPOのDVD買ったら抽選でもらえるなんてのもありました。
それぞれ、現在では入手が難しいと思われますが、つい最近になって本作単独でCDが発売されました。
伊BEATレーベルからの発売で、LPジャケットのイラストに近いジャケになっていて、
オリジナルの雰囲気が出ていてなかなかよろしい。

20曲ぐらい入ってそうなので、マカロニ・ホラー好きな人にはお勧めの1枚。




・・・と、ここまでが過去記事。

「ビヨンド」のテーマ曲って、チャーリー・クロウザーの「SAW」のテーマに何となく似ていると思うのはおっさんだけでしょうか。

もしかして、パチモンがパクられたか?

現在では、劇中出てくる死体をあしらった悪趣味なジャケのダウンロード版まで出ています。





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