SMILE
監督:パーカー・フィン
音楽:クリストバル・タピア・デ・ヴィーア
出演:ソシー・ベーコン、ジェシー・T・アッシャー、カイル・ガルナー、ロビン・ワイガート、ケイトリン・ステイシー、カル・ペン、ロブ・モーガン
2022年 アメリカ映画

 

 

 

 

低予算であることが丸わかりなホラーですが、全米でヒットを記録した作品。

パーカー・フィン監督が撮った短編ホラーを長編に撮り直した作品なのだそうです。

日本では劇場未公開ですが、なかなかの力作。

ストーリーは、ある精神科医が、他人が自殺するところを目撃してしまった女子大生をカウンセリングすることになりますが、

カウンセリング中に女子大生も突然不敵な笑いを浮かべて自殺してしまい、

そのことをきっかけに不気味な幻影に悩まされることになる・・・というお話。

オープニング・クレジットの入り方が絶妙。

わざとドキッとさせる音を入れて観客をびっくりさせる手法があちこちに使われているのですが、

おっさんはあまりこういうのは好きではなくマイナス評価。

でも、後半に行くに従ってこけおどし系のショッキングシーンは減っていく感じでした。よしよし。

突然「バ~ン!!」って音でビックリさせる手法は、ドキッとするけど怖いのとは感覚が違う。

おっさんは、やっぱりジワジワとくるオカルトな感じの方がいいなあ。

ありゃりゃ、ヒロインの彼氏役が「ザ・ボーイズ」のAトレインだ。

一見、ヒロインの精神が崩壊して幻影が見えるようになってしまったかのように描かれる作品。

次第に追い詰められていくヒロインの姿が痛々しい。

なお、警察の捜査ファイルを一般人であるヒロインが元彼の警察官に頼み込んで見せてもらったりといった、現実にはあり得ないメチャクチャな展開もあり。

 

 






 

音楽は、クリストバル・タピア・デ・ヴィーア。

おっさんは馴染みのない作曲家ですが、チリ出身カナダ在住の作曲家で、

主にテレビシリーズのスコアを担当してきた人で、これまでに数々の音楽賞を受賞してきた才人のようです。

本作品のスコアは、生活音をスコアにしたようなノイズ中心のスコアです。

風の音のようなモヤモヤした音、ピンと張り詰めた弦の音、不気味かつインダストリアルなスコアが並びます。

竹を叩いたような音やポリバケツを叩いたような音も入ってます。

メロディらしいものはなく、現代音楽風の不気味なスコアです。

モワ〜っとした音やキリキリとした音響など、ヒロインのズタズタになった精神状態を見事に音で表現している感じです。

エンドタイトルにヒロインの?悲鳴らしきものを挿入したり、テープを早回しさせたり、

いろいろな音をコラージュしたスコアが流れます。

スコア全体を通じてメロらしいものはほぼありませんが、随所に斬新な発想が盛り込まれた実験的なスコアといえます。

サントラは、CDはなくダウンロード版が発売されています。