FLESH FOR FRANKENSTEIN
監督:ポール・モリセイ
音楽:クラウディオ・ジッツィ
出演:ジョー・ダレッサンドロ、ウド・キア、モニク・ヴァン・ボーレン、アルノ・ジュエギング、スルジャン・ゼレノビク、ダリラ・ディ・ラッツァーロ、ニコレッタ・エルミ
1973年 イタリア/フランス映画 




アンディ・ウォホールが監修したという宣伝文句が全面に押し出された70年代イタリアン・ホラー。
エログロ、ナンセンスな描写が多く、モンドなカルト映画としても知られる作品です。
ストーリーは、古城の実験室で、ある男爵が男女の人造人間を1体ずつ作って、これにエッチをさせて子供を作り、
完全な人造人間を作り出そうという、とんでもない計画をたてます。
女性の方は完成したのですが、男の方にはまだ頭がありません。
街に出て精力絶倫な生きた男の頭をちょん切って取り付けようとしますが、
間違えて女性には全然興味のないゲイの男性の頭を切り取って付けてしまい・・・・・・というメチャクチャなお話。
主要な登場人物がみんな変態という設定が凄すぎる。
男爵は、女人造人間の臓物を触りながらエッチをするド変態で、その奥さんはなんと男爵の実の姉で、これも淫乱。
男爵の助手も男爵の子供もみんな変態で、救いようがありません。
よくもまあ、こんな設定を考えたものだと思います。
お〇ぱいも結構出てきますが、あっけらかんとしているのでエロさはありません。
おかげで、一部のマニアにはカルト映画として人気が出たという次第です。
特殊メイクは、大御所カルロ・ランバルディが手掛けているので、首チョンパシーンや臓物ぶちまけシーンなど、

ゴア描写は気合が入っています。
おっさんは、ビデオでしか観たことがありませんが、劇場公開時には、立体映画として上映されたとか。






音楽は、クラウディオ・ジッツィ。
ストリングスがメインの割とオーソドックスかつクラシカルなオケスコアです。
ホラーなのに、ピアノがソロを取るもの悲しい美メロのスコアもあり、

これだけ聴くと悲恋のメロドラマスコアようにも聴こえるので、
まさかエログロなフランケン映画だとは誰も思わないことでしょう。
このメロディがモチーフとなっていて、スコア全体を統一感あるものにしています。
リコーダーをフィーチャーした中世風の室内楽風のスコアがあったり、のどかな劇伴も多く、
ほんとスコアからは本編を想像することがなかなか難しい内容となっています笑。
そうは言ってもホラーなので、不気味なスコアもありますが、バーナード・ハーマンあたりをお手本にしたような

往年のホラースコア調という印象を受けます。
キリキリという神経質なストリングスが緊張感を演出するスコアありますが、

聴いていてキツいアンダースコアという感じはありません。
サントラは、アメリカでも1980年代にLPが発売されたほか、
本国イタリアでは、同じくクラウディオ・ジッツィがスコアを手掛けた「処女の生血」とカップリングされたCDが1993年に発売され、
さらに2011年には、Digitmoviesレーベルから両作品にそれぞれ増曲した2枚組CDが限定発売され、
その後、2015年になって2枚組のLPまで発売されています。
現在では「処女の生血」とカップリングになったDigitmovies盤と同内容のダウンロード版が入手可能です。