DON'T WORRY DARLING
監督:オリヴィア・ワイルド
音楽:ジョン・パウエル
主演:フローレンス・ビュー、ハリー・スタイルズ、オリヴィア・ワイルド、ジェンマ・チャン、キキ・レイン、ニック・クロール、クリス・パイン
2022年 アメリカ映画
「ツイン・ピークス」みたいな雰囲気もあるミステリーサスペンス。
1950年代のほのぼのとしたホームドラマ風の作品に、次第に不穏な空気が漂いはじめ、そして最後は激しい展開に至る作品です。
フローレンス・ピューが、同じく彼女が主演した「ミッドサマー」みたいなことになってます。
ストーリーは、アメリカの郊外に綺麗に区画された
街があり、そこで夫と幸せに暮らす女性が、ある日を境に違和感を覚えはじめます。
街に暮らす夫婦はみんな夫が同じ会社に勤め、妻は家事をして家を守るという暮らしをしていますが、彼女は夫が務める会社のことを何一つ知りません。遂に彼女は禁じられている街外れの建物に行ってみようと試みますが・・・というお話。
砂漠のような土地の真ん中に建つ街並みを俯瞰で捉えた映像や、古き良き時代のアメリカを象徴するような1950年代風の郊外の住宅地や衣裳などのセットが秀逸。
フローレンス・ビューが次第に自分をコントロールできなくなって壊れていく映画なのかと思っていたら、ちょっと違ってました。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、種明かしは「あの映画」に近いものがあります。
なんでそうなるのか、幾分説明不足な感じほ否めないものの、そこそこ楽しめました。
音楽は、ジョン・パウエル。
ハイブリッドなスコアが多い人ですが、本作品でもストリングス系のオケにパルス風のシンセが重なるスコアが登場します。
なかには、ゴワゴワ、モコモコした電子音だけのトラックもあり、この人にしては珍しい音が聴けます。
サスペンスなので、楽しいスコアはなく、不気味なスコアやショッキングな音を使ったスコアが中心です。
女性の不気味な囁き声をフィーチャーしたスコアもあって、なかなか気味の悪い仕上がりになっています。
クライマックスでようやくアクションスコアが登場しますが、ドコドコ激しいわりにメロが希薄なので「燃え度」は低めです。
エンド・クレジットでは、エラ・フィッツジェラルドの"Someone to Watch Over Me"が流れます。
ダウンロード版の爽やかなジャケ写とは裏腹なアンダースコアアルバムですので、ジャケ買いすると失敗します☺️
本編を観ずしてサントラを買うとかなりキツいと思います。
どちらかといえば、本編を観た人かジョン・パウエルの熱心なファン向けのアルバムです。
サントラは、CD、LP、ダウンロード版が発売されています。