THE GREEN KNIGHT
監督:デヴィッド・ロウリー
音楽:ダニエル・ハート
出演:デヴ・パテル、アリシア・ヴィカンダー、ジョエル・エドガートン、サリタ・チョウドリー、ショーン・ハリス、ケイト・ディッキー、バリー・キオガン
2021年 アメリカ/カナダ/アイルランド映画

 


「ア・ゴースト・ストーリー」のデヴィッド・ロウリー監督による中世の英雄伝『サー・ガウェインと緑の騎士』を映画化したダーク・ファンタジー。

ストーリーは、アーサー王の甥でありながら日々堕落した生活を送っていた男が、騎士が集まる宴会に参加していたところ、何処からともなく不気味な全身緑の騎士が現れて、首切りゲームを申し出ます。

男は緑の騎士の首をあっさり切り落としますが、騎士は自分の首を拾って、1年後に今度は騎士が男の首を切り落とすことを約束して立ち去ります。男は名声を得るためこの騎士を探す旅に出る・・・というお話。

全編に渡ってかなりゆったりとお話が進みます。

展開もかなり地味です。剣劇アクション中心の中世の騎士道物語かと思ったら、割と地味めなロードムービーのようなダークファンタジーでした。

メジャーな雰囲気はまるでなく、ミニシアターでやるような映画ですが、よくある中世の英雄譚に終始していないところは斬新で好感が持てます。

エンディングに向かうに従ってセリフがなくなって、「ア・ゴースト・ストーリー」に似た感じになります。









音楽は、デヴィッド・ロウリー監督とのコラボの多いダニエル・ハート。

てっきり、中世のコスプレ劇に合わせた音楽だと思っていたら、所々でパルス風のノイズやモヤモヤとした環境音楽風なシンセが流れるユニークなスコアです。

劇伴はかなり地味なので、モチーフはかすかにある感じがするものの、全体を通じて空気のようなスコアが中心です。

時折、不気味な女性コーラスが入ったり、テープの逆回しがあったり、サイケデリックな雰囲気もあります。

間奏曲として流れるスコアも風のような音やモヤモヤとしたシンセが織りなすダークな曲。

宗教音楽風の女性ソプラノフィーチャーした曲もあります。

スコアの他に歌ものが2曲あります。1曲はストリングスをバックにatheena frizzellが歌う曲ですが、後半は歌が無くなり女性コーラスが入って神々しい雰囲気になり、最後はミニマルなバイオリンで締めくくる5分を超える大曲です。この曲の後半部分は他の劇伴でも使われます。

もう1曲は、katinka vindelevが歌う中世風のアコースティックなボーカルナンバーです。

サントラは、ダウンロード版が発売されています。