THE MOLLY MAGUIRES
監督:マーティン・リット
音楽:ヘンリー・マンシーニ
主演:リチャード・ハリス、ショーン・コネリー、サマンサ・エッガー、フランク・フィンレイ
1970年 アメリカ映画
社会派監督マーティン・リットが70年代に撮った日本語タイトルの通り男臭いドラマ。
ほとんど男ばっかり出てきます。セリフのある女性はわずかだったような記憶があります。
本作品は、アーサー・H・ルイスの小説が原作となっています。
ストーリーは、19世紀のペンシルベニアを舞台に、アイルランドの移民で構成された炭鉱夫たちが秘密結社を組織して、過酷な労働を強いる会社側にテロ行為で対抗します。そんな中、1人の男が炭鉱夫に化けて組織に潜入する・・・というお話。
アメリカを舞台に、2大英国俳優が演技で火花を散らす硬派で見応えのある作品です。
重厚で地味な印象の作品ですが、おっさんは面白かった。
本作品は、炭鉱夫側に共感を持って描かれていますが、炭鉱夫に化けるスパイもはっきり悪役と描いておらず、スパイが炭鉱夫たちの仲間入りをするのか、彼らを裏切るのか、最後まで白黒つかないところがドラマとして引き込まれます。
炭鉱夫たちが働く炭鉱のリアルな描写などが評価されたのでしょうか、本作品は同年のアカデミー美術賞にノミネートされています。
音楽は、ヘンリー・マンシーニ。
アメリカが舞台ですが、アイルランド人の利権を守ろうとする秘密結社が出てきますので、アイリッシュな雰囲気を持ったスコアが出てきます。
メインとなるテーマは、スケール感のある大らかなフレーズを持ったスコアで、おしゃれなイメージの先行するマンシーニにしては珍しく泥臭さのあるチューンです。
マンシーニのサントラは再録音が多いとはいえ、劇伴にちゃんとテーマモチーフが盛り込まれているので、スコア全体の統一感があり、ある意味安心して聴くことができます。最近のスコアみたいに、聴いているうちに、何のサントラを聴いているのか分からなくなるようなことはありません。
フィドルやリコーダー、アコーディオン?をフィーチャーしたスコアなどが登場し、マンシーニにしては珍しいタイプのスコアだなと思いましたが、よく考えたらこの人、「グレート・レース」の「パイ合戦ポルカ」など、世界の伝統音楽をスコアに盛り込むのは結構得意なんだろうなあと妙に納得してしまいました。
サントラは、公開時にLPが発売されたほか、はるか昔に米bay citiesレーベルからLPと同内容のCDが発売され、2012年に米kritzerlandレーベルからリジェクトされたチャールズ・ストラウスのスコアなどを加えた長尺盤が1500枚限定で発売されています。