ROUGH CUT

監督:ドン・シーゲル

音楽:ネルソン・リドル

主演:バート・レイノルズ、レスリー=アン・ダウン、デヴィッド・ニーヴン、ティモシー・ウェスト、パトリック・マギー、アル・マシューズ、イザベル・ディーン、ジョシュ・アックランド

1980年 アメリカ映画





80年代の作品ながら、なんとなく70年代の香りのするクライム・コメディ。

バート・レイノルズが世界を股にかける宝石泥棒を演じています。

ストーリーは、大富豪が開いたパーティに身分を隠して出席した宝石泥棒が、会場で知り合った謎の美女(こちらも泥棒)から空輸されるダイヤの強奪計画をそそのかされてその気になります。しかし、実はこの美女は警察から送り込まれた囮だった・・・というお話。

前半は割とユルくお話が進みますが、計画が実行されるあたりからスリリングな展開に突入します。

ラストのどんでん返しも含めてコミカルな味付けがされたライトなコメディです。

監督は、70年代にはアクションやウエスタンで高い評価を受けたドン・シーゲル。

硬派な監督だと思ってたらこんな作品も撮ってました。

デヴィッド・ニーブンがいつもの役柄とは一味違った冷徹な警部役で出てましたが、とぼけた演技は相変わらずでした。

なお、DVD化はされていないようです。









音楽は、ネルソン・リドル。

80年代の作品にしては、ちょっと古めの音ですが、イージーリスニングな雰囲気のあるとてもお洒落なスコアが提供されています。

ラテン風、ジャズ風、ボサノバ風、チャカポコギターをフィーチャーしたブラックミュージック風など、多彩な顔を持つスコアが流れます。

とぼけた味わいのあるジャズ風スコアもあって、ヘンリー・マンシーニの「ピンク・パンサー」シリーズのスコアを彷彿とさせます。

かなりキャッチーなチューンが並んでいて、とても耳に心地よいスコアとなっています。

逆に激しいアクションスコアやアンダースコアの類いは全く収録されていません。

こんなに聴きやすく充実した内容のスコアなのですが、不思議なことにサントラは公開当時は発売されませんでした。

2019年になってようやくQuartetレーベルから1000枚限定でCD化されましたが、再録音盤じゃないかと勘違いしそうなくらい各曲の粒が揃ったとても聴きやすいサントラです。

全37曲69分たっぷりと収録されています。

1000枚限定という縛りがもったいない作品です。

なお、サントラには収録されていませんが、劇中、デューク・エリントンのジャズナンバーがたくさん流れます。