MOON 44

監督:ローランド・エメリッヒ

音楽:ジョエル・ゴールドスミス

主演:マイケル・パレ、マルコム・マクダウェル、リサ・アイクホーン、ディーン・デヴリン、ブライアン・トンプソン、スティーヴン・ジェフリーズ

レオン・リッピー

1990年 アメリカ/西ドイツ映画



後に「インデペンデンス・デイ」などのヒット作を手がけることになるローランド・エメリッヒが初期に撮ったB級SFの1本。

ストーリーは、地球の資源が枯渇した近未来を舞台に、豊富な鉱山をもつ惑星を巡って巨大企業どうしが武力で熾烈な奪い合いを繰り返す中、ムーン44と呼ばれる貴重な資源が豊富に存在する惑星の争奪戦が繰り広げられる・・・というお話。

ブルーサンダーみたいな戦闘ヘリが活躍するアクションSFです。

主演のマイケル・パレは、「ストリート・オブ・ファイヤー」に出てた頃はイケメン俳優として人気でしたが、その後は何故か徹底してB級アクションやB級SFにばかり出演するなど(しかも結構脇役が多い)、表舞台からは距離を置いたところでコンスタントに今も活躍しています。

特撮はミニチュアなどを駆使して当時としてはかなり高い水準で作り込まれていたように記憶しています。下から上を見上げる格好でヘリや戦闘機のバトルシーンを撮っているのでミニチュア感が薄く迫力があります。

総じて室内シーンや夜のシーンがが多いことから全体的にに画面が暗く、特にビデオで観た時はかなり暗く感じたのでDVDでもう一度観てみたい作品です。







音楽は、巨匠ジェリー・ゴールドスミスの息子、ジョエル・ゴールドスミス。

B級アクションやSFのスコアをよく手がけるところは親子で似てますが、息子はメジャー作品に起用されることはなく、作風もお父さんのスコアの雰囲気はあまりありません。

本作品では、わずかに「スター・トレック」や「ランボー」の劇伴を思わせるパーカッシブなアプローチを聴くことが出来ます。

SFアクションなので、派手に鳴らすタイプのフルオケスコアなのですが、モチーフのメロが少し地味なので、本編同様、B級テイストが漂うスコアという印象です。

キャッチーなメイン・タイトルはありませんが、ボレロのリズムを使ったミリタリーなバトルスコアなども登場するおっさん好みのスコアです。

演奏が「マスターズ・オブ・ザ ・ユニバース」と同じグランケ交響楽団で、録音スタッフが同じなのか独特のエコーが効いたような湿っぽい音で雰囲気がなんとなく似ています。

サントラは、公開時にsilvaレーベルからCDが発売されたほか、2012年にBuy soundtraxレーベルから同内容のCDが限定1500枚で再発されました。

現在では、ダウンロード版も発売されています。