THE SEVEN-PER-CENT SOLUTION

監督:ハーバート・ロス

音楽:ジョン・アディスン

主演:ニコル・ウィリアムソン、アラン・アーキン、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ロバート・デュバル、ローレンス・オリビエ、ジョエル・グレイ、サマンサ・エッガー、ジェレミー・ケンプ、

1976年 イギリス/アメリカ映画





ハーバート・ロス監督によるシャーロック・ホームズのキャラクターをベースにしたミステリー・コメディ。

架空の人物シャーロック・ホームズと実在の人物フロイトが共演するというユニークな設定となっています。

しかも、ホームズは薬物中毒になってるし、宿敵モリアーティ教授も善良な普通の人だし、ほぼパロディになっています。

ストーリーは、シャーロック・ホームズがコカイン中毒になり、治療のためワトソンに連れられてオーストリアの精神科医フロイトのもとを訪れます。治療の甲斐あってコカイン依存から回復したホームズは同じフロイトの患者だった女性歌手の失踪事件を調査することになる・・・というお話。

本作品は、コナン・ドイル原作のエピソードではなく、ニコラス・メイヤーによるオリジナル脚本で、

お話の前半は、コカイン中毒になったホームズがフロイトのもとで催眠療法を受けるところがメインになっているので、ホームズファンとしては少々退屈に感じるかも知れません。

後半は、列車を使った活劇が用意されているので、前半が気にならなければ結構楽しめる作品なのではないかと思います。

ミステリー・コメディですが、1976年のアカデミー脚色賞と衣装デザイン賞にノミネートされています。








音楽は、ジョン・アディスン。

イギリスの作曲家らしい優雅で上品なスコアです。

メインタイトルは、ツィンバロンやバイオリンをフィーチャーしたオケスコア。

本作品では、ヨーロッパの舞踏音楽を思わせるようなクラシカルなメロディを持ったスコアが随所に出てきて楽しませてくれます。

スリリングなサスペンススコアもこの人の手にかかれば、不思議と上品な感じにになります。

この人が書くスコアのおっさん流の楽しみ方は、劇伴の中に時折見え隠れする「遠すぎた橋」の劇伴を彷彿とさせるフレーズを見つけること。

かなりマニアックな楽しみ方ですが、本作品でもわずかですが、その辺りを匂わせるスコアが出てきます。

本作品のスコアはもともとバーナード・ハーマンにオファーされたものだったようですが、彼が他界してしまったのでジョン・アディスンが起用されたとか。

ハーマンも好きな作曲家ですが、本作品はジョン・アディスンで正解だったんじゃないかと思います。

サントラは、公開当時LPが発売されたようですが、レーベルの品番を見るとプロモ盤のような気もします。その後、2020年になって、Quartetレーベルからフィルム音源とアディショナル・ミュージック、LP音源を収録した2枚組CDが2000枚限定で発売されました。