THE EQUALIZER
監督:アントワーン・フークア
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン、マートン・ソーカス、クロエ・グレース・モレッツ、デヴィッド・ハーバー、ビル・プルマン、メリッサ・レオ、ヘイリー・ベネット、デヴィッド・ムニエ、ジョニー・スコアーティス
2014年 アメリカ映画




ホームセンターで働くその辺のおっさんが実はCIAの凄腕工作員だったという、よくあるB級アクション王道の設定ですが、
アントン・フークア監督の手堅い演出で、結構楽しめる作品に仕上がった1本。
1作目のヒットによって、続編が2本製作されました。
ストーリーは、元CIAの特殊工作員で、今ではホームセンターに勤めながらひっそりと暮らす主人公が、
常連のダイナーで若い娼婦を知り合い、店で言葉を交わすようになります。
ある日、彼女が客とのトラブルが原因で雇い主のロシアン・マフィアに重傷を負わされ集中治療室に搬送されたことを知り、
男は単身ロシアン・マフィアに戦いを挑んでいく・・・・というお話。
普段は慎ましく暮らすおっさんの設定がなかなか味わい深くておっさん好み。
キレイに整頓された自宅に必要最低限の家具調度品、シンプルな夕食が終われば決まって街のダイナーでコーヒーを飲みながら読書をする、
このストイックでカッコいい流れにシビレます。
主人公が工作員としての本領を発揮する後半は、アントン・フークア監督らしいキレのあるアクションで楽しませてくれます。
あっという間に敵を叩き潰す主人公のキレキレのアクションに胸がスカッとします。B級アクションはこうでなければ。
ホームセンターの売り物を使ったアクションも素晴らしい。
クロエ・グレース・モレッツの使い方も割り切っていて、必要以上にストーリーの中で絡ませないところが良かったと思います。
ラストの落とし前の付け方もグッと来ます。
この作品には、オリジナルがあるそうで、1980年代のTVシリーズ「ザ・シークレット・ハンター」だそうですが、おっさんは未見です。







音楽は、ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ。
この人は、「2」のスコアも手掛けています。(3作目「THE FINAL」では、マーセロ・ザーヴォスにバトンタッチ)
オケにシンセ、エレキギター、打ち込みパーカッションという定番のハイブリッド・スコアですが、今回はテクノ、インダストリアル色が強めで、
アクションスコアにその傾向が顕著で、時にベンベンの音でアクションを盛り上げます。
この人のスコアは似たようなスコアも多いので既視(聴)感はあるものの、透明感のあるストリングやピアノの美メロが多いので聴きやすい。
ピアノの単純なメロディではありますが、ちゃんとモチーフもあるのでおっさん世代でも楽しめるスコアです。
サスペンス描写では、インダストリアルなビートにマイナーメロのストリングスが重なるいつものパターンのスコアが登場。
これに、エレキギターが抑制の利いたリフやエフェクティヴかつスリリングなプレイでアクセントをつけています。
アクションシーンのパーカッションには、インド映画に出てきそうなエスニックなパーカッションも使っています。
後半のアクションでは、ベンベンのシンセ、シーケンサーに負けじとストリングスの力強さも増幅していきます。
サントラは、CDとダウンロード版が発売されています。