THE DUELLISTS
監督:リドリー・スコット
音楽:ハワード・ブレイク
出演:キース・キャラダイン、ハーヴェイ・カイテル、クリスティナ・レインズ、エドワード・フォックス、ロバート・スティーヴンス、アルバート・フィニー、トム・コンティ
1977年 イギリス映画



リドリー・スコット監督の長編デビュー作となる記念すべき作品。
1977年に製作された作品ですが、日本公開は1982年になってから。
当時、映画雑誌で「エイリアン」の監督の幻のデビュー作として紹介されていたような気がします。
ストーリーは、19世紀のフランスを舞台に、軽騎兵の将校が些細なことで別の将校から決闘を申し込まれます。
決闘を申し込んだ方はあっさり負けてしまいますが、負けた方は人前で恥をかかされたと相手を逆恨みし、
それ以来相手の行く先々で何度も決闘を申し込むようになり・・・・というお話。
逆恨みから相手に何度も決闘を申し込むハーヴェイ・カイテルの執念深さはほとんどストーカーです。
地味な映画なので、当初日本公開が見送られたのではないかと思われますが、
さすが巨匠、既にこの頃から美術には手抜きがなく、こだわりの映像美にはひたすら圧倒されます。
本作は、1977年のカンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞しています。




音楽は、イギリスの中堅作曲家ハワード・ブレイク。
この人は、おっさんの勝手なイメージで何故かケン・ソーンとだぶってしまいます。
クラシックの作曲家としても知られる人で、そのせいか、この人が手掛けるスコアは

英国のスコアの中でも品の良さが際立っているような気がします(笑)
本作のテーマ曲も、もの悲しさのある緩やかなストリングスチューンになっていて、

クラシックのような繊細さを持っています。
このテーマ曲がモチーフとなって、劇中何度も登場するほか、

軽やかなメロにアレンジされてピアノチューンなどにも使用されます。
イギリスの映画らしい陰影に富んだスコアになっています。
演奏はナショナル・フィルハーモーニー管弦楽団なので、余計にクラシカルに聴こえるのかも知れません。
リドリー・スコット監督は、ハワード・ブレイクとは長編デビューする前から付き合いがあったようで、
「エイリアン」でも当初ハワード・ブレイクを指名しようとしたとか。
でも、ほんとにハワード・ブレイクが起用されていたら、古典的なホラースコアになってたかも知れませんね。
サントラは、公開当時は発売されず、後に「謀略海域・北海の激闘」とカップリングになったプロモ盤CDが発売されました。
正規盤では、サントラの発売はないようです。