LAMB

監督:ヴァルディミール・ヨハンソン

音楽:ソーラリン・グドナソン

主演:ノオミ・ラパス、ヒルミル・スナイル・グズナソン、ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン

2024年 アイスランド/スウェーデン/ポーランド映画





A24がアメリカ配給を担当した珍しいアイスランド製の不条理ミステリー。

広大で寒々とした土地をバックに、セリフも少なく、繊細かつゆっくりとお話が進むので、最初は退屈かもしれません。

ストーリーは、人里離れた農場で羊飼いをして暮らす夫婦にはかつて子どもを亡くした辛い過去があります。日々羊の出産に立ち会う中で、ある日、他の羊とは明らかに違う特徴を持った子羊が生まれます。夫婦はその子羊をアダと名付けて家の中で大切に育てるようになりますが・・・・というお話。

冒頭、羊小屋の中でうごめく羊たちの顔が人の顔に見えてしまいます。

劇中、子羊の耳にホッチキスでタグをパチンと付けたり、耳の一部を切るシーンがあるのですが、ほんとに痛がっているように見えるので、可哀想でちょっと観るに耐えません。

夫が本を読み聞かせるシーンで、吹き替えが津嘉山正種だと気付きました。

なお、本編は唐突な終わり方をするので唖然とします。






音楽は、ソーラリン・グドナソン。

スコアは全編を通じてあまり無いのですか、まだ雪の残る荒涼とした大地をバックに静寂の中に空気のようなストリング系のスコアが流れます。

これがだんだん不安感を掻き立てる不穏なスコアに変わっていきます。

ビードの効いたスコアは無く、打楽器を極力使わずストリングスのリフでテンポ感を出しています。

ストーリーが進むに連れて、音響系のスコアが登場します。

メロらしいものがあるのは、妻が弾くピアノ曲だけかなあ。

エンドクレジットでは、ヘンデルのサラバンドが流れます。

スコア以外のところでは、劇中、車のカーステからLay Lowが歌う"Brostinn Strengur"が流れます。最初、ビョークかと思った。

夫の弟が勝手やっていたバンドのPVとして流れるBaraflokkurinnの"I Don't Like Your Style"がなかなかニューウェイヴしていて懐かしい。

サントラは、スコアのみのダウンロード版とアナログ盤が発売されています。